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■「浦島太郎」はおじいさんではなく、鶴になるのが真実!
浦島太郎は室町時代に作られた「御伽草子」の中の話のひとつだ。
浜辺で子供達に苛められていた亀を、浦島太郎が助けたことが物語の始まりとなっている。浦島太郎は亀を助けたお礼にと、竜宮城へ招かれた。竜宮城で歓迎され、楽しい生活を送る浦島太郎だが・・・。

■常識では・・・玉手箱を開けておじいさんに
むかし、むかし、あるところに浦島太郎という心やさしい漁師が住んでいた。ある日のこと、浜辺を歩いていると一匹の亀が子供達にいじめられているのを見た。そこで浦島太郎は亀を助けやった。
数日すぎたある日、いつものようにつりをしていると亀が海から出てきた。
「浦島太郎さん、僕はこの間あなたから助けられた亀です。お姫様があなたを竜宮城におつれしなさというのでお迎えにまいりました。」
浦島太郎はさっそく亀のこうらに乗ると海の中に入っていった。竜宮城にはさんごに囲まれ、魚が泳ぐ、それは美しいお城であった。お姫様はそれはそれは美しいお方であった。
「浦島太郎さん、どうかごゆっくりしていって下さい。」
浦島太郎は時間のたつのも忘れて楽しんだ。まるで夢のような毎日だった。数日が過ぎ、浦島太郎は村のことやお母さんのことを思い出した。
ついに別れの時がやってきて、別れぎわ、お姫様は浦島太郎に小さな箱を手渡した。
「浦島太郎さん、もし困ったことがあったら、この箱を開けなさい。」
亀に乗って村に帰った浦島太郎は、どうしたことか自分の家もお母さんも見つけられなかった。村はまったく変わっていたのだ。
どうしたらよいのかわからなくなってしまい、箱を開けてみることにした。
すると白いけむりが出てきて、浦島はあっという間におじいさんになってしまった。
竜宮城で楽しく過ごしている間に、何百年も経ってしまったのだ。今どこにいるのか、夢なのかわからなくなってしまった。

■ホントは・・・老人になった後、鶴になって飛んでいく
浦島太郎が玉手箱を開けておじいさんになってしまう、という一般的に知られている物語の後、おじいさんになった浦島太郎は乙姫様と再会し、末永く暮らしたという説があるのをご存知だろうか?
その後日談によれば、浦島が鶴になって蓬莱山に飛んでいき、亀である乙姫と永遠に結ばれた、という。この話は室町時代ごろの『御伽草子』にのっているほど古いもの。浦島太郎は「鶴」で乙姫様は「亀」の象徴であると言う。つまり、鶴と亀が縁起物として考えられるようになったのは、この浦島太郎と乙姫様の後日談があったからではないかと言われている。
また、おとぎ話である浦島太郎には多くの謎が存在している。その中でも、最も謎であるとされているものが「開けてはならない『玉手箱』」だ。浦島太郎が竜宮城から帰ろうとすると、乙姫様は「これは絶対開けてはいけません」と玉手箱を授けた。しかし、戻ってから玉手箱を開けてしまった浦島太郎はみるみるうちにおじいさんになってしまった。
どうして開けていけない箱を授けたのか?
また、なぜ浦島太郎が竜宮城から帰ると何百年もの月日が経っていたのか?
浦島太郎を巡る謎には、多くの推測が飛び交っている。

※青年と仙女の恋物語
浦島太郎は「風土記」や「日本書紀」「万葉集」などに記されている「浦島子(うらしまこ)」の物語が原型であると言われている。浦島子の物語は、現在の浦島太郎とは違い亀自身が仙女(いつまでも美しい、女性の仙人)だったようだ。浦島子と亀の仙女は結ばれ、幸せな結婚生活をおくったとされている。
この浦島子の話が現在のような「浦島太郎」になったのは、室町時代の「御伽草子」からのようだ。その後は浦島太郎として物語や童謡などの形で受け継がれ、現在に至る。

【出典】
「日本文化いろは事典」

(Written by くしBK)