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世界文化遺産「富士山」を望むなら、景勝地「三保松原(みほのまつばら)」がおすすめです。この地に、フランス人バレリーナの知られざる悲しいエピソードが残されています。

三保松原を象徴する松の木の1つ、「羽衣の松」。奈良時代、天女が舞い降りて羽衣をかけたという「羽衣伝説」で有名です。羽衣の松は現在、三代目。初代・羽衣の松は宝永4年(1707年)に富士山が噴火した際に海に沈んだと伝えられています。

この羽衣の松のそばに1つの碑がひっそりと建っています。能『羽衣』に魅せられて三保松原に憧れたフランス人のバレリーナ(舞踏家)、エレーヌ・ジュグラリス。彼女は、能を研究するうち、その能『羽衣』を題材にして自らの作品『羽衣』を発表しました。しかし、この地を訪れることがかなわず、35歳の若さで亡くなりました。

エレーヌの熱意に共感した地域住民によって昭和27年(1952年)、「エレーヌの碑(羽衣の碑)」が建てられました。碑の下には、エレーヌの遺言に基づき、夫が持参した遺髪が納められています。また、碑にはエレーヌが能面を手にするレリーフが刻まれ、当時の除幕式にはフランス大使ら多数が参列した中、梅若万三郎師一門による『羽衣』が奉納されました。

毎年10月、三保松原周辺で「羽衣まつり」が開かれています。三保羽衣薪能、エレーヌの顕彰式も行われています。

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静岡市シティプロモーション

(Written by Aki Shikama /シカマアキ)