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 東京・飯田橋でピンク映画を60年近く上映していた映画館『飯田橋くらら劇場』が5月31日で閉館しました。
 オープンしたのは昭和30年代。当時は連日超満員で繁盛していたといいます。女性の裸を鑑賞するには、ストリップ劇場かピンク映画館に行くぐらいしか手段がない時代でしたから当然といえましょう。
 ビデオデッキの普及と共にAVが一般的になった昭和50年代後半になると観客数は激減。
日本各地のピンク映画館は次々に閉館に追い込まれ、現在都内では池袋と上野に4館あるのみになってしまいました。
平成26年8月には『新橋ロマン劇場』が閉館。実はこの劇場、若手女優の橋本愛が通い続けていたことでも有名でした。劇場前でおどけたポーズで撮った記念写真を自身のInstagramに載せ、高校を卒業してから観狂っていたと告白するぐらい愛着があったそうです。
最近では橋本のように、ピンク映画やロマンポルノが好きな女性が増えている現実もありますが、もうピンク映画館は廃れる運命なのでしょう。

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 ピンク映画に850本以上出演した経歴があり、俳優生活50年を迎えた久保新二は、今回の『飯田橋くらら劇場』閉館について以下のように語ってくれました。
「閉館するというから行ったけど。ピンク映画の世界で生きてきた者としては、やはり寂しいよね。でも、ここはずっとホモのハッテン場だったから。誰も観ていない映画をかけているだけなら、なくなってもしかたないよ。今までよく続いていたと思うよ」
『飯田橋くらら劇場』に限ったことではないのですが、今も残っているピンク映画館のほとんどは、出会いを求めるホモたちが集まってくるハッテン場。スクリーンには目も向けず、見知らぬ男同士が座席でイチャついているのです。
劇場スタッフからは何も言われません。そういう人たちが払う入場料で経営が成り立っているのですから黙認するしかないのでしょう。
閉館の理由はビルの老朽化とのことですが、本当のところは……。
 
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(photogragh & Written by シン上田)