日本に住んでいれば誰でもラベルライターで作られた文字入りのテープを目にしているはずだ。一家に必ず一台、というほどの道具ではないが、それらで作られたラベルは確実に生活の中に浸透し、縦1センチほどの細長いメッセージで人々の暮らしを支えている。
10月12日、ブラザー販売株式会社による新しいラベルライター「P-TOUCH CUBE」新製品発表会が行われた。
“美しくシンプルに。家族と、家と、暮らしを楽しむ。”をコンセプトに、従来品のラベルライターにはなかった革新的なデザインが含まれている。
これまでのラベルライターは機械にキーボードやディスプレイ が付き、文字や絵文字を打ち込むことでテープを作る製品が一般的だったが、10月下旬に発売されるブラザー社の「P-TOUCH CUBE」は、作成・編集の操作をスマートフォンの専用アプリに集約。Bluetoothで機械に情報を送りラベリングするという従来品とは一線を画す製品となっている。
キーボードやディスプレイを排したことでデザイン性も一気に向上。これまではどこかにしまいこんで使うときだけ取り出すイメージだったが、インテリアとして出しっぱなしにしておいても生活臭さが演出されることはない。
ラベル作成に使用する専用のアプリは、「整理収納」「書類整理」「名前付け」「ギフト・ラッピング」といった4つの主要用途に合わせたテンプレートやオリジナル作成ができるだけでなく、より便利でおしゃれな使い方を提案するコラム「TOUCH MY LIFE」を掲載。ギフト・ラッピングや整理収納術のアドバイザーによるアイディアは、見ているだけで今すぐ試してみたくなるという。ただのラベル作成アプリにはとどまらない。
作成編集がスマートフォンで行えるメリットはそれだけではない。
これまでは製品に内蔵された限られたフォントや絵文字のみしか使用できず、ユーザーのセンスによってラベルライター独特のしあがりになってしまうことも多かったが、同製品はアプリ内蔵のものだけでなくスマートフォンに内蔵されたフォントやシンボルも使用できる。
ラベルライターのユーザーは主に女性であるため、当然ながらスマートフォンを介することで操作性も向上。どこでも思いついた時、空いた時間にテープをデザインできる。
このようなスマートフォンの活用が評価され、同製品は2016年グッドデザイン賞を受賞している。
生活家電におけるスマートフォンの活用は、これまであらゆる種類の製品で試されてきた。しかし、これほどスマホと親和性の高い製品はなかったのではないだろうか。
この製品をきっかけに、街にあふれる文字入りテープのデザイン性が一気と向上する可能性を秘めている。