銀座の高級クラブ「ル・ジャルダン」の元ＮＯ．１ホステスで、現在、株式会社ＴｒｕｅＨｅａｒｔの代表取締役として活躍する甲賀香織さんが、恋愛に関するいろいろな質問に答える「元ＮＯ．１ホステス香織社長の恋愛ＣＬＵＢ」。

僕の彼女も女友達もそうなのですが、いっっっっっっつもダイエットをしていて、必要以上に痩せたがります。

見た感じ、全然太ってないのに、口癖のように「痩せたい」と言います。

一緒に食事をしても、「私、ダイエットしてるから・・・」と、少ししか食べないので楽しくありません。

ガリガリの女の子より、少しくらいぽっちゃりしていた方が可愛いと思うのですが・・・。

女性って、なんでそんなに痩せたがるのでしょうか？

（２１歳／男性／フリーター）

女性がダイエットをしたがる理由。

それは、２つの方向からの深い問題を孕んでいます。

１つ目は、あなたの彼女への愛情表現不足の問題。

２つ目は、彼女自身の自己肯定感不足の問題。

さて、あなたはレストランのメニュー決めの時、

「俺、これにする」

「俺、これがいい！」

「俺、これでいい」

普段どのパターンの発言をしますか？

日本人は、３番目の「これでいい」を使う人が多いようです。

そのお店のシェフにしてみたら、どのお料理も一生懸命心を込めて作っているのに、「妥協されるなんて！」と悲しい気持ちになるはずです。

これは、レストランだけの話ではありません。

あなたと彼女の関係性、もしくは愛情表現も、妥協が混じっていませんか？

私はお陰様で、夫に１００％の愛情を注いでもらっているので、がりがりにダイエットする意欲が湧きません（笑）

つまり、１つ目の愛情表現不足の問題とは、あなたからの愛情、（同性や異性などの）他者からの羨望を望んでいるという心の形として痩せた体を求めてしまうのです。

自分がまだ満たされないのは、太っているからだ、という理論です。

２つ目の問題は、彼女は元々、彼女自身の心に満たされていない空洞を持っている可能性があるということです。

女性は特に絶対評価でなく、相対評価で自己評価をする傾向にある人が多いように感じます。

だから、

「モデルの〇〇ちゃんと同じような体形になりたい。」

「友達の〇〇よりも太っているのが嫌！」

の、ようなことになるのです。

自分を絶対評価するだけの自信がないからです。

自信はどこか生まれるのか。

私自身も、「根拠のない自信がある。」と、ふざけて言ったりしますが、結局のところ他者から与えられた成功体験という実績の認識であることに気が付きます。

例えば幼少期に何か（小さいこと）ができて、「すごいすごい！」と褒められ、調子に乗っている子供、の延長です。

実際に自分がやればできるはずだ、と思い込んでいるので、失敗した時に、「あれ？そんなはずはない。」と、成功するまでやり続けるから「ほら、やっぱり成功した。」というストーリーとなるわけです。

大人になると、親との関係性よりも、パートナーや友達との関係性の方が密になり、その関係性の中で、自分への自信が確率されたり、喪失したりしていくものではないでしょうか。

度合いの差はあれど、人は誰しも自分の存在価値に対して不安を抱いており、他者から褒められたり、認められたり、優位に立った気持ちになることで、自分が存在する証のようなものを他者との関係性で探しながら、生きていくのだと思うのです。

淡々と生きていると感じているかもしれないあなたでさえ、きっと、心のどこかでは他者から認められることを欲しているはずです。

あなたが彼女を愛しているのなら、まずは身近な彼女に十分な自己肯定感を得るだけの

愛と信頼を与えてあげてはいかがでしょうか？

そうすれば、彼女が心の穴を埋める一番身近な手段としてのダイエットに励むことも少なくなると思います。

自分が満たされない状態で、他者に何かを与えるということは、とても難しいことです。

自分の生活が困窮しているのに、募金をするようなものだからです。

でも、よくよく考えると、満たされるということには、お金であれ、心であれ、際限が見えなくなるものです。

ダイエットにも、ほとんどの人にゴールが存在しません。

だからこそ、今すぐできるであろう、彼女のような身近な人に愛を「与える」ことで、彼女の心からの笑顔を見ることで、満たされる自分に気が付くことがあるかもしれません。

あんなに欲していた心の穴を埋められるものは、結局は自分の作業であるということに。