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エジプトの観光ガイドブックに載っているのは、「言い値からの値切り交渉」です。これは確かに、空港でのタクシー、ホテルなどに滞在する時、そして主要な観光スポットでは“正解”です。

しかし、観光客がよく行くエリアから外れると、事情が異なります。

とあるスーパーで遭遇した話。自分が欲しいスナックに塩味がなく、レジでそのスナックの袋と、ソルト(塩)と言っても通じなかったので、スマホで塩という意味のアラビア語を表示して見せると、その店のスタッフがスナックを取って「ちょっと待って」と言って店を出ていきました。しばらくすると、どこからかそのスナックの塩味を持ってきて「これでいいだろう」とひと言だけこちらに言い、レジでバーコードを読み取ってカゴに入れました。

どこからそのスナックを持ってきたかは不明。おそらく近くの店から持ってきたのでしょう。

また、別のスイーツ店でジェラートを食べた時、紅茶が欲しいというと、その店主は「OK」と言ってお盆を持って、お店の外に行ってしまいました。しばらくすると、お盆の上に紅茶を載せて戻ってきました。価格は5エジプトポンド(約30円)。つまり、お店で紅茶は出せないから、また外のどこかから淹れて取ってきたと思われます。

つまり、その店にはなくても、外から持ってきてでもお客様に提供して販売する、ということです。「ないから売れない」ではなく「みんなで協力して、なんとしてでも売る」というスタイルなのでしょうか。観光地でよく見られる押し売り感はまったくなく、逆に親切だなと思いました。もし嫌であれば、こちらから断れば良いのですから。

(Written by AS)