ティーグラウンドに立ってかじかんだ身体でナイスショット…とは、そうそう簡単に行かないのがゴルフ。この時季のゴルフ場は最初のホールのティーグラウンドの気温が氷点下と言うのも珍しくはないはず。ティーショットを放った後で、「は〜るよ来い♪は〜やく来い♪」と、思わず小さく歌い出す時の息で両手を温めながらフェアウエイを歩くゴルファーも、もしかしたらいるのではないだろうか!?
 
 日本では、やっと気持ち良くゴルフが出来ると思えるのは、そう桜の咲き始める頃である。桜が名所のゴルフ場もたくさんあるが、お花見ゴルフも雨に当たられたりしては散々だし、この頃はアベレージゴルファーにとっては強敵となる風の強い日も多い。

 季節は春休み。ではいっその事、南国でゴルフを楽しんで来るのも一考。気温差20度の常夏の世界へ行って身も心も軽くしてゴルフを楽しんで来ては如何だろう?そこで筆者がお勧めしたいのがバリ島でのゴルフである。ちょうど3月下旬は雨季から乾季に変わった頃になるので、ラウンド中にスコールに遭う事もない。バリ島には現在5つのコースがあるが、今回はその内のお勧めの2コースを紹介したい。

 …と、その前に、バリ島の変貌について触れておきたい。筆者が初めてサーフィンを目的として行った三十数年前のバリ島は、農村そして漁村の島と言うイメージで、それこそサーフィンの横で漁が行われている事もあった。観光と言えば礼祭や儀礼に行わる舞踏になるのだがそれは至るところで見られた。そして影絵芝居なんて言うのもあったが今ではどこで見られるのだろう?そんな古くからの伝統芸能に彩られた島がバリ島だった。それが今や、ビーチリゾートが開発されホテルも立ち並ぶ様な世界的な観光地に様変わりしていたのである。その時間の凝縮を例えるなら、わかる方にはわかるだろうがハワイ島からいきなりオアフ島と言う感じかな!?


『 NIRWANA BALI GOLF CULB 』

NIRWANA BALI GOLF CULB

 筆者を暖かく迎えてくれたのは、写真左下の Danti Yuliandari さんで、ダンティーさんと呼ばせてもらっていた。Marketing Communications Director と言う肩書だが、日本で言うゴルフ場の支配人と言うポジションになる。20代の若さで支配人になれるだけの事があるなと思うのは、話の隅々で感じられる頭の良さだろう。それに会話中は笑顔を絶やす事はない。その人当たりの良さに加え美人と来ているし写真の通りでとてもスマートだ。筆者がゴルフ場以上に参ったのはもはや言うまでもない。
 
 そのゴルフ場だが、最初のホールが何と田んぼ超えで筆者がプレーした時には稲が刈り取られた後だったが、田植えの時期は水田になっているのでチョロってしまえばいきなりのウオーターハザードでワンペナである。…と言ってもそれは刈り取られた後でも同じ。2番ホールまでコースの中にこの田園風景が続く。古き良き頃のバリ島を思い出させてもくれる。

 そして6番ホールからはシーサイドホールだ。そして7番ホールにこのゴルフ場の一押しの海越えのショートホールがある。写真右下のホールだ。バックティーで214ヤードあり、レギュラーティーでも177ヤードあるのでパーを取るのはいささか困難なホール。筆者はレギュラーティーから5Iでギリギリパーセーブ。海越えと言うだけでテンションが上がるので、パーを取れたのは良い思い出になった。そして12〜14番までのシーサイドホールはもう全景が絶景で景色に見とれショットを忘れてしまうほど。

 コースコンディションも最高だし、キャディーさんの教育もしっかりしている。そして何と言っても食事が美味しい。これはゴルフ場では大切な事だ。異国では尚更だ。バリ島に来る度にプレーしたくなるコースである事に間違いはない。

NIRWANA BALI GOLF CULB 
 

『 BALI NATIONAL GOLF RESORT 』

BALI NATIONAL GOLF RESORT

 筆者は今年のお正月と昨年の5月にバリ島に行っているのだが、その5月には日程的に一日しかゴルフをする時間が取れなかったのだが、そのプレーした一日と言うのがこのコースで、その時は写真左下のNyoman Sarjana さんと一緒にプレーさせてもらった。このゴルフ場での肩書はService Manager なのだがゴルフはプロ級の腕前。日本語も達者である。聞けば日本のゴルフ場で働いていた事もあったとか!?筆者はニョーマンさんと呼んでいたのだが、そのニョーマンさん、6番ホールの打ち上げショートホールではピンに当たる音がしたので、「もしかしてホールインワン?」と筆者が叫ぶと、「今のは入っていないよ。入っていればわかる」と言うので、「ここでやった事があるんですか?」と尋ねると、「3回」と答えられた。打ち上げホールなので登って行くとやはりピンに弾かれたのか2mほど右にずれていた。このコースはグリーンが俗に言うポテトチップになっているので難しいのに難なくバーディーだ。
 
 そして次の7番ホールは打ち下ろしのロングホール。眼下には広大なパノラマが展開しその一番奥には海が広がっている。ティーグラウンドでは暫し立ち竦みショットするまでのルーティーンが狂ってしまうほど。このコースは海に隣接するホールはないが、ホール脇の至るところに古い作りの民家が点在し、これもまたバリ島らしさを醸し出してくれている。
 
 そして17番ホールにこのゴルフ場の名物ホールの浮島のショートホールがある。紹介した右下の写真は最終の18番ホールだが、〆のホールらしくデンと構えてくれてはいるがなかなか戦略性のあるホールになっている。こちらは良い意味で筆者を苦闘させてくれたコース。故に、三度目の正直で、是非また挑戦してみたいコースである。

BALI NATIONAL GOLF RESORT