4月下旬、Molecule8がフィギュア「ジョン・レノン-イマジン-」の発売を発表しました。
Molecule8は独自に開発したステンレス製のボディフレームを使って、「リアルな」フィギュアを創造する注目の企業です。
今年8月に販売が予定されている「ジョン・レノン-イマジン-」は、名曲『イマジン』のPVに登場するジョン・レノン氏の姿を忠実に再現しています。

今にも動き出しそうな精工なフィギュアはどのように誕生したのか――その秘密に迫るべく、Molecule8のCEOであり創業者であるヴィジェイ・チャダ氏へのインタビューが行われました。

「Endoskeleton Mark 1」による次世代フィギュアへの取り組み

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Molecule8は2015年に設立されたばかりの企業です。Molecule8設立の経緯について、ヴィジェイ・チャダ氏は次のように話しています。

私が成長する過程で情熱を傾けた事が3つあります。1つはコミック、1つはフィギュアそして、もう1つはビデオゲームでした。 
1990年以来、私はビデオゲーム業界で20年間過ごしました。 その間も、私はフィギュアの収集を断続的に行っていました。 2011年に、私は趣味としてフィギュアをデザインし、製作し始めました。 そして、2015年には、Molecule8を設立しました。
Molecule8は既存の球体関節のスタイルを超えて、より創造的なデザインの開発とイノベーションを通して、様々なフィギュア体験を市場に提供していきたいと考えています。

また、Molecule8のフィギュアの特徴について、ヴィジェイ・チャダ氏は次のように述べました。

我々が実装しようとしている弊社の技術は、業界にとって新しいハードウェア・フォーマットになると思っています。現市場のフィギュアは、頭部造形が正確である一方、それに合った正確なボディが用意されていないと感じています。
我々は、キャラクターの頭部の造形のみならず、キャラクターに完全に合うボディも造形しています。どのような体格のボディもステンレス製のボディフレーム「Endoskeleton Mark 1」を使って構築できるということがMolecule8の特徴です。正確な骨格をもとに、フィギュアを作っていくので、より現実的で、自然な、皆さんが抱いているキャラクター・イメージにより近いフィギュアをつくることができます。

 
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Endoskeleton Mark 1
 

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Endoskeleton Mark 1

背景を知ることでより「リアル」なフィギュアに

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「ジョン・レノン-イマジン-」の制作には苦労も多かったと言うヴィジェイ・チャダ氏。「ジョン・レノン-イマジン-」完成までの取り組みも、インタビューで聞くことができました。

「ジョン・レノン-イマジン-」の制作にあたって、我々は多くのリサーチをしましたし、これまで知らなかった事もたくさん学びました。
我々は単にイマジン時代のジョン・レノンを参考にした訳ではなく、『イマジン』がつくられた経緯や、その制作過程、他にも、入手可能な情報であればどんな些細なことでも収集しました。さらに、イマジン以降、ジョン・レノンが受けた一連のインタビューにも着目しました。
ジョン・レノンの製作の為に、我々は素晴らしいチームを作りました。我々のジョン・レノンへのビジョンを詰めたフィギュアを、間もなくコレクター皆さんの手にお渡しする事になります。

現在、Molecule8はジーン・ワイルダー氏が演じた『チャーリーとチョコレート工場』のウィリー・ウォンカや、カート・ラッセル氏が演じた『ゴーストハンターズ』のジャック・バートンなど、有名な映画のキャラクターのフィギュアの販売を予定しています。
映画作品のキャラクターフィギュア以外にも、ゲーム、音楽、その他のエンターテイメント分野への参入も考えているとのことです。Molecule8の技術が、日本のフィギュア界にも変化をもたらすかもしれません。Molecule8の今後の活躍から目が離せません。