しまなみ海道で今、「村上海賊」ブームが起きている。昨年度、「日本遺産」に認定された村上海賊のストーリー、その本拠地で、海賊気分が味わえる観潮船、村上海賊の拠点に上陸できるクルーズ、今年3月に発売された“どら焼”などが話題となっている。
村上海賊は“日本最大の海賊”といわれ、しまなみ海道がある芸予諸島が本拠地。この周辺は古来より潮流が激しく、往来する船にとって難所として知られた。その中、因島村上、来島村上、能島村上が活躍し、往来する船が急流を無事に渡れるように案内していた。現代もこの潮流は変わらない。
その来島海峡の潮流が体験できると以前から人気だった「来島海峡急流観潮船」に、村上海賊が出現する新プランが登場。今治市の大島南端にある下田水港を出港し、約50分の遊覧中に村上海賊が現れる(平日のみ、15名以上の団体プランのみで要予約) 2名から参加できる通常の観潮船プランでも運が良ければ村上海賊に会えるかもしれない。
[また、能島村上の本拠地にあたる能島周辺は潮流が渦巻く最大の難所で、この潮流をかきわけてクルージングできる「能島上陸&潮流クルーズ」も運航中。現地ガイドの案内で、海城跡が残る能島に上陸できるのも、村上海賊ファンにはたまらない。能島城跡は2017年に「続日本100名城」にも選ばれた。
村上海賊が一躍有名になったのは、2014年に「本屋大賞」を受賞して累計100万部を突破した『村上海賊の娘』だ。その装丁をそのままパッケージしたどら焼が、2017年3月に発売開始。小豆あん、瀬戸内レモンあんの2種類の味があり、愛媛県でおなじみの銘菓「薄墨羊羹」を手がける中野本舗が製造する。来島海峡サービスエリア、村上水軍博物館などで販売中。
ほかにも、甲冑体験が外国人に人気の村上水軍博物館、村上海賊が戦勝祈願した大山祇神社、村上海賊たちが船上で鮮魚を食べていたことにちなむ「水軍鍋」など、村上海賊の拠点では観光スポットやご当地グルメが今、目白押しだ。
日本遺産 村上海賊
村上海賊ゆかりのスポット(SHIMAP)