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静岡中部エリアの観光情報を発信する、するが公式インスタグラム「suruga_traveler<するとら>」が可愛い。フォトジェニックなスポットやグルメ、“インスタ映え”画像が量産される中でも思わず目をひくおしゃれなビジュアル、その秘密にせまってみた。

●発信しているのは正真正銘観光局の職員
2017年に登場した「するが公式インスタグラム」。展開しているのは公益財団法人するが企画観光局だ。驚くことに、この可愛い写真たちを発信しているのは、観光局の職員だという。

「公務員らしからぬ(笑)と称された、おしゃれで可愛いビジュアルと、地元の人も『知らなかった!』と言わしめるディープな情報で、早くも好評です!」


そう。可愛いだけじゃない。インスタ映えのお約束、背景とのコラボレーションにもこだわっていて、見栄えがするだけでなく臨場感がひしひしと伝わってくるのがいい。



たまに写り込んでくる手のネイルが、上品なワンカラーで微妙に色が日によって違うのもいい。これは個人的な好みかもしれないが・・・。


ときどきネイルが施されていない日があると、「この日は忙しかったのかな・・・」なんてかんぐってしまう。どうでもいいことかもしれないが、そんな風に画像の向こうに生身の人間がいることを感じさせてくれるのも臨場感といえるかもしれない。


さらに、チョイスされるネタも、食べ歩きやスイーツなど気軽に楽しめるものが中心なのも「わかってる」という感じがして小憎らしい。いつの時代も甘いものは別腹だ。たまに登場するご飯ものも、海鮮丼や麺物など、SNS界では人気のものが多い。

ともあれ、王道観光スポットからディープなグルメまで、旅のお役立ち情報が満載のおしゃれインスタなのだ。

●公益財団法人するが企画観光局とは?


おしゃれインスタの背景として知っておかなければいけないことがある。「公益財団法人するが企画観光局」は、実は旧公益財団法人静岡観光コンベンション協会なのだ。この2017年にマーケティングを強化した新組織体制になったらしい。

企画開発広報部長には、クックパッド(日本最大級の料理レシピ検索サイト)の元広告事業部長・片桐優氏が就任。全国の国内旅行者5000人に調査し、このエリアにマッチする旅行者のペルソナや、埋もれていた観光スポットの魅力を徹底的に洗い出したという。

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するがエリアの観光スポット「奥大井湖上駅」

たしかに、筆者自身、奥大井湖上駅のニュースを目にしたときのことはよく覚えている。キャッチーなビジュアルと話題になりそうなキーワード満載のニュース記事。ここは今後人気スポットになりそうだと思ったものだ。

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するがエリアの観光名所「寸又峡 夢の吊橋」

「寸又峡 夢の吊橋」は行列のできる橋としてこの夏大人気になった。iPadを利用した混雑解消サービス(整理券受付)も導入されるという。

このエリアには他にも、足元から大井川が見える吊り橋効果満点の「塩郷の吊橋(恋金橋)」、日本一長い階段式の吊り橋「宮沢橋(みやんざわばし)」、江戸時代にタイムスリップしたかのような木造の「蓬莱橋」など魅力的な橋がたくさんあるらしい。


さらに、するがにはSLや美女づくりの温泉、紅葉の絶景などまだまだ人気が出そうなスポットがいろいろある。

するが企画観光局は、驚きを発信する「選ばれるまち」になるべく、今後もエリアの魅力を発信していくとのこと。伊豆や箱根のように、都内からの小旅行先候補として定着していく未来が見えるような気がした。