春の陽気の中、2018年3月23日(金)から4月4日(水)までの13日間。
今年で第90回目を迎えた、『選抜高等学校野球大会』いわゆる『センバツ』が開催されている。
今年も、甲子園球児たちによって熱い戦いが繰り広げられているが、今回はそんな球児たちの夢の舞台となる『甲子園』を匠の技で整備する職人集団『阪神園芸』にフォーカスを当ててみたい。
阪神園芸ってどんな会社?
高校野球や阪神タイガース好きな人から絶大な人気を誇る『阪神園芸』。
『阪神園芸株式会社』設立は1968年9月10日となる。造園工事や緑地管理、観葉植物のレンタルなどを行い。79年から甲子園球場の整備を担当している。
阪神電気鉄道系列の造園会社なので、設立当初は阪神電鉄職員が出向することもあり、元車掌のキーパーもいたという。2012年にクリエイティブ阪急と統合。本社は兵庫県西宮市甲子園浦風町にある。
日本一水捌けの良さと称される『甲子園球場』
そのグラウンドは日本一の水捌けと言われている。
何度も、大雨によって水溜まりになったグラウンドを整備し再開させてきた、甲子園での一時試合中断時に阪神園芸の人々が出てくるときは『試合再開の合図』でもある。
ジャイアンツの坂本勇人選手も「やはり甲子園といえば阪神園芸さん。土のグラウンドなのに、普段からすごく守りやすい。でも、(2016年シーズン初の巨人・阪神の伝統の一戦の日)あの日は本当にビックリした。あの雨だし、もっとグチャグチャなのを覚悟していたけど、見た目ほど気にならなかった。さすがだなぁって思いましたよ」と話す。
日本一の水捌けの良さを可能にする念密な土づくり
グランドの土造りは、オフシーズンから始まっている。1月から内野フィールド部分全体を約25cm前後、耕運機で畑のように掘り起こした後、ゆっくりと転圧しながら理想の「弾力性のある土」に仕上げていく。
甲子園球場の内野フィールドには黒い土が使われているのは有名だが、これが黒土だけだと細か過ぎるので固まりすぎて校庭のような状態になってしまう。
そこで、黒土と砂をおよそ半分づつ(実際には時期によって少しづつ割合は変化させる)混合したものを約30cmの厚みで敷き均していく。
この混合土と30cmの厚みを使って、表面の2〜3cmは野球のプレイに支障のない硬さ(軟らかさ)にし、その下の20〜25cmに弾力性を持たせることで、イレギュラーの可能性が減るという仕組みになる。
そこで、黒土と砂をおよそ半分づつ(実際には時期によって少しづつ割合は変化させる)混合したものを約30cmの厚みで敷き均していく。
この混合土と30cmの厚みを使って、表面の2〜3cmは野球のプレイに支障のない硬さ(軟らかさ)にし、その下の20〜25cmに弾力性を持たせることで、イレギュラーの可能性が減るという仕組みになる。
念入りに作られる土だが、シーズンを通して、粒子が大きい砂に対し、細かい土は雨などで日々少しずつ下に沈み、固まってしまう。
これを年に1度混ぜ合わせる大仕事を真冬の寒空の中行っている!!
しかも、甲子園のグラウンドの土は、甲子園ができた1924(大正13)年以来、土を総入れ替えしたことはない。日々補充しながら現在に至っているのだ。
裏で支える人々のたゆまぬ努力は、多くは人々を感動させている日本一の甲子園球場を作り上げている!!