大学駅伝界では「スットプ・ザ・青学」と言われている。
現在、箱根駅伝4連覇中の青山学院の時代といって間違いないでしょう。
選手が毎年入れ替わる中、戦力を維持していることはとても難しいと思う。
では、いつから青学はこんなに強くなったのか考えてみました。
もちろん原晋監督の存在が大きいでしょう。
2003年に就任以降、箱根駅伝出場できない時期もありましたがしかっかりとメソッドを築き上げ、チームを作り上げた。
だが、忘れてはいけない青山学院を強くさせた選手がいる。
その選手こそが「出岐雄大(でき たけひろ)」
出岐は86〜89回大会の箱根駅伝などに出場にした。
2012年、3年生時の第88回箱根駅伝にはエースとして “花の2区”にエントリーし、青山学院初の区間賞獲得する活躍を見せた。
この区間では当時、東海大学3年の村澤明伸(現:日清食品)、東洋大学2年の設楽啓太(現:日立物流)、明治大学3年の菊池賢人(現:コニカミノルタ)と現在社会人駅伝で活躍しているランナーたちを抑えて達成した。
この大会では当時の青学最高順位の5位に入賞した。
これをきっかけに出岐は大学駅伝界のエースとして取り上げられるようになった。
2012年、4年生時の第30回出雲駅伝ではアンカーを務めて快走、見事に優勝を果たした。
この結果、青山学院は大学駅伝で初優勝を飾る。
そして、より出岐に注目が集まった2013年の第89回箱根駅伝ではケガの影響などもあり、エース区間ではなく最終10区にエントリーした。結果も満足のいくものではなく、他大学にかわされ順位を落としてしまい8位という結果に。
この時の青学は5位より良い成績が取れると臨んでいただけあって、本人たちにとっても悔しい結果になってしまった。
そして、やはりエース出岐の結果が注目されしまった。
だが、当時の原晋監督は試合直後の報告会でこのように述べている。
「出岐の走りについてですが、満足に思われない方が多くいらっしゃると思いますけど、このチームが今あるのは彼のおかげなんです。苦しみながらこの1年間、キャプテンとしてよく耐えてきたと思います。彼が1年生の時、『優勝しよう!』と言葉をかけてくれて、私自身も本当に箱根駅伝に対して向き合うことができました。出岐ら、他の4年生に感謝をしている。8位という成績を悔しいと思っているので、次の箱根駅伝は本気で優勝を目指したい。」
このコメントから原監督もエース・出岐雄大に影響、魅了された1人だと思える。
その2年後には箱根駅伝初優勝を飾り、そのまま4連覇を達成した。
監督や練習方法がチームに影響を与えることの方が多いかもしれませんが、こういった選手たちが劇的にチームを変えることもある。
2009年に出岐らが青山学院に入学した時はまだチームは弱く、箱根駅伝に出場できるかわからない状況だったが、この4年間で青学は強豪校へと近づいて行った。
原監督だけじゃない、青学を強くした男「出岐雄大」を紹介いたしました。
出岐は大学卒業後、中国電力に入社しオリンピックを目指していたが、2016年の「東京マラソン」を最後に現役引退した。
※中国電力陸上競技部「ランナーズ・ブログ」での引退報告。
さて、今年の大学駅伝はどんなシーズンになるのか?
注目はやはり青山学院大学、東海大学、東洋大学になると思いますが、駅伝は何が起こるか予想できないのが面白さの1つ、ここに割って入ってくる学校はでてくるのか?そして、新たなスター選手は生まれるのか?
駅伝シーズの号砲が鳴る。
(Written by ユーサク)