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ドラマ『ギフト』のBlu-rayとDVDが2019年1月9日にリリースされることが先月 発表され往年のSMAPファンの間では話題を博した。

1997年にフジテレビ系の「水曜劇場」枠で放送された同作は木村拓哉の連続ドラマ単独初主演作品として当時 注目を浴び最高視聴率は23.0%を記録した。

クローゼットの中から現れた「生まれた日」から3年間の記憶しかない主人公の早坂由紀夫が、「届け屋」として武器、ラブレター、遺言、裏帳簿、ペット、脅迫状、花束、年金、人間など様々なものを届けるなかで記憶を取り戻していくという謎に満ちたストーリーを展開した内容となっている。
一話の主人公の早坂が室内のクローゼットから裸体で全身血まみれで意識もない状態で登場するシーンは視聴者に衝撃を与えた。

共演者には室井滋、篠原涼子、忌野清志郎、今井雅之、小林聡美、倍賞美津子、緒形拳らが名を連ねる。

いわゆるお蔵入り作品になってしまった『ギフト』

このドラマが放送された当時の木村拓哉を人気ぶりはまさにうなぎ上りであり、着実にアイドルとして、そして一流俳優として名実ともに不動の地位を築いていた。

そんな矢先に放送された『ギフト』だが木村拓哉の代表作品として番組や雑誌等のメディアに取り上げられるのは決まって『ロングバケーション』や『HERO』と一貫しており、『ギフト』は時間の経過とともに徐々に影を潜め、あまり語られることはなくなった。
それもそのはず、この作品は過去に再放送が途中で打ち切られ、その後一度もテレビで流れることはなくVHS版もとっくの昔に販売は中止になっているのだ。

とある事件をきっかけに・・・

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1998年1月28日、「栃木女性教師刺殺事件」が発生。
中学校校舎内で一年生の男子生徒が授業を担当していた女性の英語教師に注意を受けたことに腹を立てナイフで胸や背中など少なくとも七ヶ所を刺し、死亡させたという残虐な事件だった。

男子生徒がナイフを所持した理由は同作の主人公である早坂が作中に器用にバタフライナイフを振り回している場面を見て格好いいと思い、級友に自慢できるので学校に持っていったのだというものだった。
また同年2月2日、東京都江東区で中学3年生の少年が警察官から拳銃を奪おうと、バタフライナイフで襲撃する事件も起こった。
東海テレビは当時、すぐに再放送中の同作を打ち切りにする措置をとった。
これらの経緯によって本作を「青少年に悪影響を及ぼす暴力場面を含む作品」、もしくは「不良少年もの」などと誤認している者までも生んでしまった。

又、一連の事件を受けて栃木の県青少年健全育成審議会はナイフ類について、青少年健全育成条例に基づく「有害玩具」に指定することを容認した。


『ギフト』は決して青少年の犯罪を助長するドラマではない!

こうした経緯が相まって『ギフト』は完全に闇に葬りされらる結果となった。
脚本の精度も高く評判を呼んだドラマなだけに、こんなとばっちりを受けて、世に再び送り出せることが不可能になっていたのが非常にやるせないことではあるが、ついにその封印も来年のお正月には解かれることになる。

Blu-rayとDVDの購入を検討している方、特に初めて見る方は余計な偏見や先入観は取っ払って、新鮮な気持ちでご視聴頂きたい。



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