2008年北京五輪の男子4×100mリレーで銀メダルを獲得した末續慎吾選手(38歳)が生涯スポーツの祭典「第39回全日本マスターズ陸上競技選手権大会」(於:鳥取 コカ・コーラボトラーズジャパンスポーツパーク)の男子100メートル(35〜39歳クラス)に初出場。10秒95のタイムで見事な初優勝を飾った。
大会2日目に行われた男子100m。観客席はメダリストの走りを一目見ようと立ち見客も出る盛り上がりとなった。期待と興奮が渦巻く中、末續選手はスタート直後からみるみるうちに他の選手とのリードを広げ、先頭でフィニッシュ。世界と戦ってきたアスリートの快走に、観客席からの視線が集中した。
末續選手は競技後、「もう1本走りたかったな。(タイムレース)1本なのでウォーミングアップになっちゃったな。でも走り自体はよくて気持ちよかった」と、まだまだ走り足りないことをアピール。
また、初出場となったマスターズ陸上に関しては「100歳以上の方と一緒走れる機会があることは貴重。各々が楽しんでいる。それぞれ人によって形が違う。僕のかけっこがここにある。チャンピオンだけでない、いろんなかけっこの個性が見え隠れして、どちらかというと走るより考えることの方が多かった。とてもいい世界観だと思った。」とコメント。人生を通じて走り続けることの喜びを受け止めていた。
これからの目標を聞かれ、「走ることが好き。その降り立つ場所、経験、体験したかった場所、年齢、競技の実績、国に関係なく往来しながら走っていきたい」と語った末續選手。今後も積極的な陸上大会への参加に意欲を見せていた。
大会後、末續選手は自身の公式ブログを更新。出身地・熊本の言葉で「やっぱかけっこ楽しかー!」と走る喜びを爆発させた。『かけっこ』は、誰もが幼い頃から親しんできた、もっとも身近な陸上競技。走る楽しさは、何歳になっても、どんな舞台でも変わらないことを、末續選手はその全身で他の選手たちに伝えている。生涯を通じて全力で挑める舞台「マスターズ陸上競技選手権大会」での末續選手の今後の活躍、活動にエールを送りたい。
Written by 日本マスターズ陸上競技連合 メディア担当 佐藤正子