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10月16日(火)に幕張メッセで開幕した「CEATEC JAPAN 2018」(シーテックジャパン2018)にて、国内外の最先端半導体や高機能電子部品を取り扱うエレクトロニクス商社、UKCホールディングスの新製品発表会が行われた。

その新製品は、自動運転技術の肝となるAI画像認識機能を搭載した「カメラモニタリングシステム」だというが、はて、一体全体どのようなものなのか?

「自動運転」×「AI」という近未来感このうえないワードの共演に胸を躍らせながら、その答えを知るため、最前列に陣取り耳を傾けた。

なぜそんなに意気込んでいるかといえば、
私はその歴10年以上、筋金入りのペーパードライバーである。
男のくせに運転が苦手だというコンプレックスを抱える私のようなペーパードライバーにとって、「自動運転」は、タイムマシンよりも、さらにいえば「ど〇でもドア」よりも早急に実現して欲しい(切実な)テクノロジーなのである。

話が完全に脱線したが、会場はさっそく、UKCホールディングス代表取締役社長 栗田伸樹氏のプレゼンテーションで幕を開けた。

「さて、いまから約5億年前、カンブリア爆発がおこりました」
 
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・・・どこまで振り返るんですか社長!

話の壮大さに一瞬たじろぎそうになったが、IoT時代へと続く生物の進化の過程をふまえ、スピーチは来場者の期待感を一層高める言葉で締めくくられた。

「車の運転に、電子の目とAIを組み入れる新しい試みを提案したい。
本日はこのシステムを初公開します!こうご期待ください」。

そしていよいよ、UKCホールディングス執行役員・技術部門長の西芝久徳氏から、
新製品の全貌が明かされた。

今回開発されたカメラモニタリングシステムでは、車体後方とサイドにカメラを装着することで、サイドミラーとバックミラーの代わりに車内のモニターで車の周囲の状況を確認できるという。
 
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メリットは、大きくわけて2つある。
ひとつ目は、車の環境に左右されない広い視野を実現。
「例えば、後部座席にダンボールを積んでいるときでも、視野制限を受けずに、すっきりと後方を見渡すことができる」(西芝氏)。
 
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二つ目は、雨による水滴でミラーが見にくいときでも、
バックミラーとサイドミラーでしっかりと後方認識ができること。
 
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このシステムに採用されるのは、同社の主力製品であり、業界で最も優れているとされるソニー製のイメージセンサー「IMX390」と、HD・フルHD対応の高解像度ディスプレイモニタ。それをメインボードにつなぎ、さらにこれを、業界最高水準のディジタルメディアプロフェッショナル社(DMP)のAIコア技術と組み合わせることで、AI物体認識を行うという。
 
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DMP社のAI技術を採用することで、車の周囲を走る「自転車」「人間」「車」などをしっかりと識別し、アラートで知らせるなどの応用も可能だ。
 
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「すでにメインボード側のシステムは完成しており、年内にはDMP社のAI物体認識ボードとくっつけ、来年1月には発表したい」(西芝氏)とのこと。

また、西芝氏は将来的な話として、
「ITの主役はPCからスマホ、そしてIoTと変わってきてが、今後はすべてのものにAIがついてくるAOE(AI on EVERYTHING)の時代となる。弊社は今回開発した技術を、IoT分野へと応用していきたい」と展望を語った。

今回開発された最新技術を搭載した自動運転車に、我々一般ユーザーが乗り、当たり前に公道を走る。そう遠くないであろうその日まで、首を長くして待ちたい(私はもっぱら電車移動で)。