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※写真説明:第29回全日本マスターズ混成競技選手権大会で
賞状を掲げる中村友梨香選手(32)=兵庫=

陸上シーズンイン。先日の全日本マスターズ陸上競技選手権大会(以下、全日本マスターズ陸上選手権)に引き続き、10月13日、14日の2日間の日程で、第29回全日本マスターズ混成競技選手権大会 (以下、全日本マスターズ混成選手権)が神奈川県・小田原城山陸上競技場で開催された。

全日本マスターズ混成選手権で実施されたのは十種競技(男子)・七種競技(女子)・五種競技(男女)。十種競技と七種競技は2日間、五種競技は1日で選手たちが複数の競技を行い、その記録を得点に換算して合計得点を競う。出場種目すべてに精通していなければ好成績を収めることができない。

そんな困難な全日本マスターズ混成選手権で、北京五輪・女子マラソン代表であった中村友梨香選手(32)=兵庫=が七種競技に初挑戦した。

中村選手は今回の初挑戦を見据え、すでに先日の全日本陸上大会でハードル、走幅跳、やり投げを経験済み。その経験を生かして、1日目にハードル、走高跳、砲丸投、200メートル、2日目に走幅跳、やり投げ、800メートルに挑んだ。結果は、女子30歳〜34歳クラスにおいて1564点。見事2位の好成績を収めた。

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※写真説明:第29回全日本マスターズ混成競技選手権大会で
女子30歳から34歳クラスで800メートルを走る
中村友梨香選手(32)=兵庫=

以下、競技直後のインタビュー

Q:初めての全日本マスターズ混成選手権はいかがでしたか?

中村:楽しかったです。各種目については、今年の5月から、全日本マスターズ陸上選手権をはじめ、さまざまな競技大会に参加し、経験を積んできました。ただ、2回目の種目であっても、1回目より記録が落ちたりして、落ち込んだことがありましたが、ベストが出た種目もあったので、総合的には嬉しい気持ちでいっぱいです。久々に800mを走り…中学生時代、陸上を始めた頃の自分を思い出しました。

Q:全日本マスターズ混成選手権は日本中から選手が集まるので全国各地の仲間もできそうですね?

中村:七種競技では2日間連続出場するので、友達とも一緒に泊まれて、合宿気分で楽しかったです。

Q:全日本マスターズ混成選手権では中村さんが出場に誘った友人(鈴木翔子選手)が1位。身近に大きなライバルも出来ましたね?

中村:そうですよ。とても手強いライバルが・・・。

Q:そのライバルを超えた時は日本記録も達成できるのではないでしょうか?

中村:そうですね。長距離走をやっていた人たちって、やっぱり不器用な人が多いんですよ。私にとっては、ハードル種目は難しい。でもそこが面白いんです。私みたいに長距離走・マラソンという専門種目をやっていた人が、違う種目を含めた七種競技に挑戦というのは、自分ながら、なかなか面白いかなと思っています。

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※写真説明:第29回全日本マスターズ混成競技選手権大会で
女子30歳から34歳クラスで1位の鈴木翔子選手(30)=千葉=と
2位の中村友梨香選手(32)=兵庫=

インタビューをした日本マスタ―ズ陸上競技連合の内田国際部長は、「中村友梨香選手は現在32歳。満35歳になれば、海外のマスターズ陸上大会の参加資格が得られる。ぜひとも、継続して、アジアマスターズ陸上競技選手権大会や世界マスターズ陸上競技選手権大会にも挑戦していってほしい」と中村選手へ夢を託す。

中村選手のように、世界に挑戦してきたアスリートが初心に戻り、新しいフィールド、新しい種目で日本一に挑戦し、さらに再び世界の舞台も視野に入れようとしている。あらたな陸上競技への挑戦は、誰もが新しいことに挑戦し続けることの大切さを伝えてくれている…。

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※写真説明:第29回全日本マスターズ混成競技大会 棒高跳び競技中

Interview by 日本マスタ―ズ陸上競技連合 内田国際部長
Written by 佐藤正子

第29回全日本マスターズ混成競技選手権大会 結果一覧

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