怒り1

先月、熊本市議会にて女性市議がのど飴を口に含んで質疑をしたことがニュースになったのを覚えているだろうか?
「人と話す時に飴を舐めるのはマナー違反」「舐めたいなら事前に申告すべきだった」「飴を舐めたのは悪いが懲罰動議に8時間もかけるのは時間の無駄」「飴くらい舐めさせろ」「ただのいじめだ」・・・など様々な意見が出ている。

まあどっちもどっちなのだが、私がこのニュースを見て真っ先に思い出したのが2006年〜2008年にかけて映像作家の古屋雄作氏が発表したDVD作品「人の怒らせ方シリーズ」だ。

怒り4

「人の怒らせ方」シリーズは東京東海大学言語学教授・碑文谷潤教授が様々な場面での人の怒らせ方を理論と実践を交え紹介するDVD作品。もちろん、東京東海大学は架空の大学で、碑文谷教授も俳優が演じる架空の教授。コントやコメディー作品に分類されるものだと思う。
「は・での理論」、「裏切り」、「寝てないアピール」、「全同調」、「関西かぶれ」、「お宝クラッシュ」・・・などなど様々な怒らせ方を紹介しており、「こういう奴いるよね」といった共感や、「さすがにこんな奴いないだろw」といった誇張しすぎた演出が笑いを呼び、一部に熱烈なファンを持つ。


このシリーズで紹介されている「ガム音」は、俳優の中澤隆範が演じる中澤君が上司から話をされているにも関わらず、ふてぶてしい態度でずっと音を鳴らしながらガムを噛み続けるというもの。実際にここまで堂々としていて失礼な奴はいないだろうとも思いながら、でも実際にいたら怒るというより戸惑いの末に笑ってしまうかも・・・と思える作品だ。
熊本市議の「飴舐め」事件を見て、ガムと飴という違いはあるが、この作品を思い出してしまった。

怒り3

「人の怒らせ方」シリーズには他にも様々なユニークなキャラクターが登場する。その一人がシュナイダー山本氏が演じる山本だ。
彼の代表作品「寝てないアピール」では、シュナイダー山本氏は寝てない自慢をする会社員を演じている。仕事の話をしたい同僚に対し「最近、本当寝てない」「それにしてもねぇ、この1週間で4〜5時間しか寝てないわ」など寝てないアピールを何度もするというもの。視聴者的にはねちっこい山本氏の演技は笑えるが、実際に近くにいたら面倒くさいだろうなと思わせる作品。


この作品でシュナイダー山本氏のファンになった私は、山本氏のプロフィールを調べたことがある。
すると、「学習院大学法学部卒。リーマンブラザーズ証券でトレーダーとして株式売買に従事」との記載があった。
この作品にはまっていた当時は、碑文谷教授同様フェイクプロフィールかと思っていた。
しかし昨年、このプロフィールがリアルだということを知った。しかも、あの大ヒットした「うんこ漢字ドリル」を出版している文響社の社長という衝撃的な事実のおまけつき。(ちなみに本の作者は「怒らせ方」シリーズ監督の古屋雄作氏)
「寝ていない」というのもリアル体験から基づく迫真の演技だったのかもしれない・・・

小学生向けの大ヒットした「うんこ漢字ドリル」シリーズだが、今年は未就学児向けの「うんこひらがなドリル」が発売された。
小さなお子様を持つお父さん・お母さんは山本氏と古屋氏が寝ずに考えた(かもしれない)「うんこひらがなドリル」を購入してみてはいかがだろうか?

怒り2