10月13日、川崎市産業会館にて、『Android Bazaar and Conference 2018 in KAWASAKI』(以下ABC2018A)が開催された。

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「Android Bazaar and Conference」とは、年に1〜2回行われるAndroidの祭典で、個人から企業まで様々な制作物などを公開する展示会「バザール(Bazaar)」と、Android技術者によるトークセッションや研究発表などが行われる発表会「カンファレンス(Conference)」の2種類から成るイベントだ。

今回は、ABC2018Aのバザールに出展していた一部ブースを紹介する。

まずは「OQTA株式会社」ブース。

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「OQTA HATO」は、一定時刻になっても鳴かない鳩時計。
鳩時計をインターネットに繋ぎ、スマホのアプリからボタンをタップすると、鳩を鳴かすことができる。

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使用例としては、祖父母など遠く離れた家族にプレゼントして、“おばあちゃんのことを想ったら”スマホから鳩を鳴らすという使い方にすると、相手は「今、子どもや孫たちに想われてるんだな」と気付けて嬉しい…というように、相手に“想い”を簡単に届けられる。例えば電話だと、話す用事が必要、忙しくてできない、相手は寝ているかもしれない、などの理由で、アウトプットの機会が失われることも度々あるが、その機会を手軽かつ簡単にしている。

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鳩が鳴らされることで実際に行動変容に繋がることもあり、孫6人で祖母のOQTA HATOを3か月で6000回以上鳴らしたところ、祖母が嬉しくなって孫たちとLINEを始めたという。家族に想われているという体験価値が、老い先短い中ですごく良い刺激になるということで、OQTA HATOを使った認知症予防の実証実験も始めているそうだ。
鳩の鳴き声に電子音は使っておらず、鞴(ふいご)で空気を送って笛を鳴らしている。

「株式会社ACW-DEEP・株式会社トークるん」ブース。ミクストリアリティ(MR)と、モーションキャプチャーと、さらにMikuMikuDance(三柱「三柱式仮面ライダー」)モデルを組み合わせたデモンストレーションを行なっていた。

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単なるVRではなく、VRと現実を使い分け“任意の物”を取り込むことができる。モーションキャプチャーはリアルタイムで転送され、MMDのキャラクターがそれに合わせて動く。

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今回紹介しているMRは、ゲームではなく、映画の撮影や商業用のシミュレーション(教育)で使われている。
例えば、実際に高所で撮影すると、非常に危険で訓練などを行なう必要があるが、この場合だと、CG加工したセットと実写の背景などを組み合わせて使えるので、危険性がなく、撮影も安全である。

続いて「日本Androidの会 浜松支部」ブース。

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スマホを複数台使った流しそうめんアプリと、世界初の箸デバイスの紹介。
箸デバイスでスマホをダブルタップすると、スマホの中のそうめんが取れる
そうめんを取ると点数が入るというゲームだが、流しそうめんなので、上流で取ってしまうと、下流には流れてこない。

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流しそうめんのように、魚群が流れてくるゲームモードも。

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さらに、回転寿司のように寿司が流れてくるモードもある。

次は「一般社団法人 話し方能力向上委員会」ブース。

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同社は「話し方」を40年以上教えてきた福田健氏が中心となって作った、企業研修を行なう団体。

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IT系企業では、「エンジニアが話せない、送ったメールがよくわからない」といったコミュニケーションのトラブルが後を絶たないという。
そこで、メールやチャットでも通じる、対人式ロジックの研修を提供して、コミュニケーショントラブルを起こさない組織づくりを支援している。
今後はEラーニングにも対応する予定。

「株式会社リックテレコム」のブース。

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プログラミング教育用ロボット「ビュートローバー」。黒い円の上を走り続けている。

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同社が発売している著書「ワクワク・ドキドキ ロボットプログラミング大作戦」は、子供向けプログラミング教室のノウハウを活かして書かれたプログラム入門書。

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他にも、同社の著書が会場限定価格で販売されていた。
(写真は深見浩和氏著「Androidアプリ開発 74のアンチパターン」)

続いては「日本Androidの会原子力部/秘密結社オープンフォース」ブース。

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Raspberry PiからHDMIでLEDサイネージに映像を表示している。

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このLEDサイネージは192×96。

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LEDサイネージに表示されているのは、顕微鏡に繋げたRaspberry Piの映像。
顕微鏡は10円玉の裏側を写していた。
ひよこのように見えるが、平等院鳳凰堂の“鳳凰”である。

最後は「株式会社ブリリアントサービス」ブース。社員が、仕事に関係なく、土日など休日に趣味で作っている“日曜大工”アプリを展示している。

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PWAで作ったカメラアプリ「邪鬼眼レフ」。「言葉の響きが気に入ったから」という理由で作成に至ったという。

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顔を認識して表情に合わせておもしろいマスクをかける。口を開けたら同じように口を開けたり、表情によってマスクがガイコツになったりする。

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「スマートポスト」ポストに何か投函されると、中をカメラで撮影して、その画像を自分にメールをして送ってくれるというもの。
宅配便の不在票の場合は、会社などにいても届いた写真を見て再配達の電話をかけられるので、便利である。
作成のきっかけは「個人的に独り暮らしの時に不便だったから」とのこと。

今回はバザールのみを紹介したが、カンファレンスについては、ABC2018A公式ページ( https://abc.android-group.jp/2018a/ )に登壇者のスライドや動画リンクがあるので、そちらを参照されたし。