日清食品陸上部

1月11日にスポーツ界に衝撃的なニュースが届いた。
陸上男子長距離の強豪、日清食品グループは陸上部の規模縮小を発表した。
縮小について、日清食品は「発足当時とはさまざまな環境が変化してきたことから、今後は、世界を目指す選手の競技活動をサポートする体制に切り替える」と説明。
ニューイヤー駅伝では過去2度優勝している。近年思うような成績は残せておらず、今年は16位というのが事実だが、強豪チームがこんなことになるなんて思ってもいなかった。
日清食品グループは今後どうなってしまうのか?


●日清食品グループ陸上部とは
日清食品は1995年創部され、2004年アテネ五輪男子マラソン6位の諏訪利成らを輩出し、マラソン日本記録保持者「大迫傑」もプロ転向前に所属していた。
その他にも、箱根駅伝を沸かせたランナーたちが多く所属している。
メンバーを見ると豪華なチームである。おそらく、学生ランナーにとっては日清食品の陸上部に入部するということは1つのステータスのはず。
そう思ってしまうような魅力的なチームである。


●縮小はでどうなるのか?
陸上部の規模を縮小で駅伝から撤退することが決まった。
しかし、それだけではなかった。もちろん部員が減ることは想定できるが、9月に開催される東京五輪マラソン選考レース「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」の出場権を持っている佐藤悠基、村沢明伸に関しては本人の希望があればサポートをする方針で、その他の選手は退部を勧告。
つまり、日清食品陸上競技部がなくなってしまうことも考えられる。


●入部予定の大学生が内定取り消し
縮小の影響を受けたのは部員だけではなく、今春入部予定だった大学4年生の2人は内定が取り消されてしまった。
その中の1人が山梨学院大の永戸聖である。
今年の箱根駅伝で2区を走った実力を持つ永戸には複数の実業団からのオファーがあった。卒業まで時間がない中、就職活動を強いられることになった。


●大学駅伝の名将たちの反応
山梨学院大学・上田誠仁監督は「企業スポーツの在り方はいろいろある」と発言。社内高揚、PR活動などが思うようにいかなければ、消滅するのは仕方ないと考える一方で、同大の卒業生でもあり日清食品グループの主将を務める高瀬無量ら家族のいる選手にとっては生活環境を急に変えることになる。この事ついては「責任は重い」と疑問を呈す。

青山学院大学・原晋監督はTwitterで「名門日清食品陸上部活動自粛と言う残念な情報が入った。ただ実業団チームはプロである。ボランティア団体ではない。各チームがチームの商品価値をあげる為社内や世にどれだけ理解を得られる活動をしているか早急に考えないと活動を縮小する流れは止められないだろう。追随するチームが出ない事を願う。」と発言。


●最後に
今後、日清食品グループは所属部員、内定取り消しとなった学生の新たな所属先探しを支援すると日清食品は示している。
大学駅伝が盛り上がっている中で、その先の社会人チームでこのような事になっているのはとても残念である。企業としては仕方のないことなのかもしれないが同じことが他の企業でも続かない事をファンとしては願うばかりである。

そして、選手が新たな場所で活躍できることを信じています。