写真1:山あげもり蕎麦写真2:山あげ蕎麦

麻布十番で蕎麦といえば、まっさきに思い出すのが白い蕎麦の代表格、更科蕎麦。その老舗店がひしめくエリアに2018年1月、黒い蕎麦店が登場した。

外観はダイニングバー、内観はグレーや黒などを基調とした、モダンシックなイメージ。正面の窓ガラス越しに中をのぞくと、蕎麦打ちをする姿が見える。

写真3:山あげ蕎麦 庵十 外観

店内で蕎麦打ちをしていたのは、店の若大将、佐藤嘉剛(21歳)さん。中学では野球、高校ではボクシングで鍛えた身体で、毎夜、お客さんを前にして、蕎麦を打つ。

写真4:若大将、佐藤嘉剛(21歳)さん
若大将、佐藤嘉剛(21歳)さん

この店の看板メニューは、黒い蕎麦である「手打古式蕎麦」と長芋と山と芋をすりおろして丸めて揚げた「山あげ」だ。ほかにも店主選りすぐりの酒とツマミも用意がある。

黒い蕎麦は全国規模であるが、製法も様々。この店の手打古式蕎麦は本来の蕎麦づくりには含めない甘皮を含めて蕎麦打ちをするという製法であるが、発明特許製法であり、一般的な蕎麦より香り高く、蕎麦本来の風味が強く感じられる逸品である。

そして、この店、蕎麦の味だけでなく他にもこだわりがあるというのだ。
例えば、食器。
せいろの器は、盛る部分が石の素材になっており、こちらもデザイン性が高く、冷えた蕎麦の温度を保つ機能もある。

例えば、お銚子とお猪口のセット。
一つ目は久谷焼き。しかもアイデア商品。お猪口がお銚子の蓋にもなり、収納に便利。
二つ目、一合ちょうどお猪口に流れる仕組みとなっているお銚子とお猪口のセット。
お店でお酒1合をオーダーすると、店主がお客様に合わせて選んだお猪口に一升瓶からついでくれる。

写真5:店おススメの
おすすめの酒と一合ちょうどお猪口に流れる仕組みとなっているお銚子とお猪口のセット


などなど、各所にこだわりが感じられる。

蕎麦打ちをしていた、若大将の佐藤嘉剛さんは「オープンした当時は5品だったメニューが今では11品。お客さんに味やメニューの感想やリクエストをもらいながら僕自身が成長しています。この周辺で白い蕎麦は有名ですが、黒い蕎麦はまだ知られていない。このエリアでこの店が一番美味しいと言ってもらえるように日々精進したい」と意気込んでいる。


この店のおススメポイント!

■昼も夜も手打ち蕎麦が楽しめる
ラストオーダー23時30分、閉店24時と、「手打ち蕎麦店は夜遅くまで営業しない」という定説を覆すお店。残業しても十分に間に合う営業時間。ランチも営業している。

■特許技術製法の蕎麦、湯島の味を再現!現在ここでしか味わえない!!
現在、黒蕎麦を作り出す手打古式蕎麦技術を伝承する店はここだけ。かつて、湯島にあった古式手打蕎麦店。店主が高年齢を理由に3年前に閉店。当時の味を知る店の従業員が、この珍しく貴重な蕎麦を麻布十番で再現。この製法を受け継いだ。


人気のメニューと食べ方

「山あげ蕎麦」
温かい汁の手打ち古式蕎麦に山あげがのっている。
一口目はこのまま、次に七味をパラパラとふって食べる。
手打古式蕎麦と山あげがセットになった店イチオシメニュー。古式蕎麦と伝統の製法の山あげの看板メニューを一度に味わうことができる。

写真6:山あげ蕎麦
山あげ蕎麦

「山あげもり蕎麦」
冷たいもり蕎麦に山あげがついたセット。
蕎麦に直接、塩とショウガをつけて食べる。
濃いつゆ。添えられた白だしで、味を調節しながら食べる。
つゆは香り高い黒蕎麦に負けないように濃くしてあるという。
本来の蕎麦の香りや味をじっくりと味わえる。

写真7:山あげもり蕎麦
山あげもり蕎麦

【店の情報】
店名:山あげ蕎麦 庵十
住所:東京都港区麻布十番1-5-1
アクセス:麻布十番駅 徒歩6分
六本木駅 徒歩10分
営業時間:ランチ  11:30〜15:00(ラストオーダー14:00)
     ディナー 18:00〜24:00(ラストオーダー23:00)
定休日:月曜日
席数:18席
オープン:2018年1月
連絡先:03-6455-4127
instagram:@yamaagesoba.anju
Special Thanks: Kairi Furuta, yamaagesoba.anju all staff
Photo by Yoshitaka Sato, Masako Sato  

(Written by Masako Sato)