レタス画像

食品の記載にある「レタス○個分の食物繊維」はまやかしに過ぎなかった

食物繊維は、穀類、豆類、海藻類に多く含まれている。特に、かんてん、ひじき、のりといった海藻類は含有量が多いため、積極的に摂取することが望ましいといる。

コンビニやスーパーでよく見かける、「野菜○個分のビタミン」という表示。健康食品やサプリメントに含まれる栄養成分の多さを伝える手法として、よく使われる表現。知っている食品と比較されると「こんなに入っているのか」と、イメージしやすいだろう。

しかし、この表記には大きな落とし穴が潜んでいる。その栄養素をほとんど含んでいない食材と比較している場合や、企業側にとって圧倒的に有利な条件で比較しているケースなどが多くある。


レタスは4〜5玉 食べなければ まともに食物繊維は摂れない!?

まず、レタスは野菜類の中で極めて食物繊維の含有量が少ない食品である。レタス100g中の食物繊維含有量は1.1g。かんぴょう(30.1g)、切干大根(20.7g)、ごぼう(6.1g)、枝豆(4.6g)などと比べても、とても少ないことがわかる。

日本人の食事摂取基準(2015年版)によると、食物繊維の摂取目標量は、成人男性が1日20g以上、女性が18g以上。レタスは1玉あたり300〜500g、100gあたりの食物繊維は1.1gなので、全部レタスで摂取しようとすると、女性なら4〜5玉もの量を食べなければいけないことになる。


メーカーの巧みな言葉の罠にハマってはならない!

さらに、メーカーごとに「レタス1個分」の食物繊維の基準が異なる。各メーカーのレタス1個分の食物繊維量を見てみると、312mg、500mg、2000mg、2500mg、7500mgと大きくバラつきがある。一般的なレタスは、300〜500gだから、3〜5g(3000〜5000mg)が妥当に思えるが、なぜこんなに違うのであろうか。

それは、飲料に含まれているのが水溶性食物繊維だからと推察できる。食物繊維には、大きく水溶性と不溶性があるが、飲料には水溶性のものだけが使われていることが多いという。
レタスは多くはないものの、食物繊維を含んでいることは事実なのでまだマシ。もっと悪質な表示が「その栄養素をほとんど含んでいない食品との比較」をしているものだ。これは健康食品などで使われる手法であるという。

ちなみに、レタスにも水溶性食物繊維が含まれているが、その含有量はレタス100g中に0.1gといわれている。つまり、300gのレタス1個に300mgしか無い計算になる。もっとも基準値の低かったメーカーは、この値を採用している可能性がある。
この基準に照らした飲料で「レタス10個分」と謳われていたとしても、かぼちゃ100gを食べるよりも食物繊維は少ない。


【出典】
「ビジネスジャーナル」(監修:管理栄養士、豊田美里):2016年9月7日

「女子SPA!」:2018年9月29日