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【ストーリー】
フランス、パリ。5月の母の日が近づくとある日。 
女性大統領アンヌは、職務と初めての母親業の狭間で不安に揺れていた。
強硬なリーダーシップで国民を率い、高い支持率を得ていたにも関わらず、母親となり戸惑うアンヌ。そんな彼女を夫のグレゴワールは優しく支えていた。

2人の子どもを持つシングルマザーでジャーナリストのダフネは、野心家で仕事を優先するあまり思春期の子どもたちの気持ちに寄り添えないでいた。子どもたちは、母よりもベビーシッターのテレーズに心を許している。

ダフネの妹で、独身を謳歌する大学教授のナタリーは、教え子との恋愛を愉しんでいた。一方で、世間の母親たちに強烈な偏見を持つ彼女は、母の日をテーマに講義をするが・・・。

小児科医のイザベルは幼少期の母ジャクリーヌとの関係が原因でトラウマを抱え、養子を受け入れることを考えていた。妹のダフネとナタリーと共に、認知症が進む母ジャクリーヌの介護のことで頭を悩ましている。 幼いころに母から受けた仕打ちが三者三様の心の傷となっていた三姉妹は、母の日に母親を置き去りにする・・・。

病気を患っていた舞台女優のアリアンは、残された時間を舞台女優として、さらに新たに始めたタップダンスにと、人生を充実させたいと思っていた。だが、自由にしたいアリアンに対して、心配のあまり行動を制限しようとする息子が悩みのタネだった。
息子の将来のため、国を出て我が子と離れて暮らすことを選んだ中国人娼婦。
スカイプでの息子との会話だけが生きがいだ。

花屋のココは、全く電話にも出てくれない恋人スタンの子どもを妊娠し、悩んだ末に生む決意をする。さらに、同じ花屋で働くジャックは、亡き母への思い出とともに生きていた。

それぞれが、大切な人への想いを胸に、幸せになるための決断をする――。
パリの家族たち公式HP

【予告編】

カンヌ国際映画祭をはじめ世界各国で高く評価された『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』(14)のマリー=カスティーユ・マンシオン=シャール監督の最新作『パリの家族たち』は、明日の自分が好きになる前向きな感動作!前作では教育の現場での教師と生徒との絆を描いたマリー=カスティーユ監督。

本作では、パリで働く女性たちとその家族にフォーカスし、多様化する社会での幸せの在り方を提示する。仕事だけでなく、家事に、育児に、恋にと、家族のため、そして自分のために奮闘する姿が眩しくかっこいい。そして、幸せになろうと試行錯誤する女性たちの物語をつなぐ赤い糸として、「母の日」の由来が語られる。

母性をテーマにしながらも描かれるのはフランス流の何者にも縛られない自分を軸にした人生観だ。登場人物を通して現代社会を生きる私たちへの応援メッセージが心に響く、きっと家族に会いたくなる映画だ。


(written by Makoto)