マイタケ

秋田県南では、他県でほとんど食べられていないキノコが親しまれているという。
「トンビマイタケ」と呼ばれるこのキノコは一般的にほとんど馴染みがなく、キノコ図鑑でも「食用」とはなっていないこともあるほどだ。

ちなみに、天然は希少であるため、100g、1000〜2000円という高値で取引されるという…。

旬が夏という珍しいキノコであるため、この地方では、お盆にこのキノコでもてなす習慣もあるという。帰省した親戚などに「トンビマイタケご飯」を振舞うのが定番なのだという。


調理方法のバリエーションも多い!!

トンビマイタケは茹でると黒くなるので、その汁を捨てて水洗いした後絞って調理する。多少硬くなったものでも、「さきいか」のように縦に裂き片栗粉をまぶして油で揚げると酒の肴になる。また、縦に裂くと硬くて歯切れが悪いような場合は、直角に包丁を入れ、なるべく薄く切るのが調理のコツである。

炊き込みご飯、佃煮、味噌漬け、味噌汁、お吸い物、炒め物、天ぷら、けんちん汁、鍋物(トンビマイタケ入りきりたんぽ鍋)、煮物など。

また、きりたんぽ鍋の出汁を取るのに干したトンビマイタケを利用するのも秋田では常識なよう。カラカラのトンビマイタケを水から煮ればあっという間に風味豊かな出汁がとれるのだという。


【参考記事】[ほのぼの@タウン]10月8日=秋田
2004.10.08 読売新聞東京朝刊 29頁
(抜粋)
見つけると、喜びのあまり舞い上がるといわれるマイタケ。「思わず目を疑った」と言う山内さんも、飛び上がりそうになる気持ちを抑え、リュックサックに詰め込んで下山した。 自宅で量ってみると、重さは約25キロ。山菜やキノコ採りを始めて20年以上という山内さんは、3年前には、県南地区のお盆には欠かせないといわれるトンビマイタケの、80キロを超える群生に出くわしたこともある。


【参考記事】きのこ「トンビマイタケ」 露地栽培技術を確立/秋田県
2005.05.28 日本農業新聞 0頁

奥羽山脈沿いの地域で珍重されるきのこ「トンビマイタケ」の露地栽培技術を、秋田県森林技術センターが確立した。菌床を休耕田に埋設するという低コスト栽培で、農家収入の向上が期待される。他のきのこと組み合わせ、周年に近い栽培形態の普及も視野に入れている。

「トンビマイタケ」は、夏から秋にかけてブナの根元に発生する。マイタケに似た形で、直径は30センチ以上にもなり、いため物などの料理に使われる。センターと秋田大学医療短大の共同研究で、がん予防に力を発揮する可能性も示した。

天然ものが主体だったが、数年前から菌床栽培が普及し、昨年度は約10トン生産された。県南地方を中心に生産され、2003年の販売価格は1キロ当たり4000〜5000円と、通常のマイタケの5倍以上の価格で取引された。

今回開発した方法は、培養にパイプハウスなど稲の苗床を冬の間利用し、初期投資を抑えた。菌床の埋設は休耕田に密着させて並べ、10アール当たり1万〜1万3000個を埋め込む。遅くとも6月までに行い、栽培時はトンネル被覆をして直射日光による高温や乾燥を防ぐ。数年栽培した後は野菜を1年作付ける輪作体系を行うことで、きのこの連作障害を防ぎ、廃棄した菌床が有機肥料になるという。

センターは、休耕田や林床を生かし、6月にハタケシメジ、7・8月にトンビマイタケ、9・10月にハタケシメジとマイタケというように、周年に近い栽培形態の確立を目指している。 きのこ担当の菅原冬樹主任研究員は「それぞれの地域で特徴のある栽培体系を確立し、きのこが特産品になるよう定着させていきたい」と説明する。

うーん…食通の僕は、旬の「トンビマイタケ」を味わってみたい願望に襲われています…。
今年の夏は「トンビマイタケ」を食べに秋田県を訪れてみようかな!!


(Written by 旬男)