海 イメージ

これから次第に梅雨が開け、本格的に灼熱の夏の季節へと転換を迎える。
そんな夏の定番のお出かけスポットといったら、やはり海。
7月になると全国の海水浴場が続々と「海開き」を迎えるので、砂浜で体を焼いたり海水浴を楽しんだりなど考えている方も多いのではないだろうか。

そんな海は地球の表面の約78%を占めており、実は健康に役立つさまざまな効果が潜んでいる。

「海洋療法(タラソテラピー)」という海と海洋性気候、さらには海藻や海泥なども含めた海の恵みを総合的に活用して、心身に総合的に作用する治療法もフランスの医学アカデミー等によって提唱されているほどだ。
19世紀頃からはヨーロッパ全土の海岸部を中心に海洋療法センターが建設され、現在、世界には260を超える海洋療法施設、併設ホテルが存在している。



海がもたらす健康効果。具体的にどんな事が起きる?


皮膚トラブルの症状改善
海水に含まれるマグネシウムは、皮膚の保湿力を高め、湿疹や疥癬、乾燥肌など、皮膚トラブルの症状を改善すると考えられている。

免疫力の向上
冷たい水は適度なストレスとなって体の免疫システムを刺激している。冷たい海水で泳ぐと、男性の場合は男性ホルモンのテストステロンが、女性の場合は女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が増えることがわかっている。

精神の安定・リラックス効果
海の青い色は興奮を抑え、時間の経過を遅く感じさせるといわれている。
海の波の音には「1/fゆらぎ」という、人間の精神を安定させ、快適さを促すといわれる音波があるのだという。

健康的で美しい肌をつくりあげる
マグネシウムが豊富な海に浸かることで肌のハリがよくなったり、海水中の塩化カリウムなどの成分が肌を保護し、乾癬などの皮膚病の回復を早めることが判明。
子どものアレルギー性の湿疹にも効果があることが分かっている。

花粉症や血流の改善も
花粉症による鼻水やむずむずを和らげたり、体全体の血行を良くしてくれる。海の近くに住んで頻繁に泳ぐ人は、呼吸器系のトラブルが少ないという指摘もある。

水虫の症状改善
直射日光によって温まり、乾燥した砂浜には殺菌力の高いマイナスイオンが多量に含まれている。そのため、晴れた日に砂浜を歩くことは、水虫菌を除去し、足の臭いを防ぐ効果がある。


また、押し寄せる波のリズムには私たちの体のリズム、体内の鼓動や呼吸のリズムにも揺らぎがあり、同じような揺らぎを心地よいと感じるという説もある。こうした説には壮大な神秘性を感じ、感覚的にも受け入れたいところではあるが、科学的な証明はもう少し先のようである。
欧州での海洋療法の長年に渡る臨床の蓄積の歴史、地域医療に根差した普及に比べ、日本ではまだ日が浅く、その様々な効能効果について科学的根拠に基づく検証は始まったばかりだという。


【出典】
「MAG2 NEWS」:2016年8月8日

「日刊サン」:2017年10月1日

「国立大学法人琉球大学」