sick_samuke

1985年2月10日午前、「さっぽろ雪まつり」を見物のため家族と一緒にやってきていた5歳の男の子が、雪を捨てるため開けられているマンホールに足を滑らせて2〜3m下の下水道に転落。そのまま1.5kmも下水道を流された。

冬の札幌なので凍死してもおかしくない状況に思えるが、下水処理場の鉄さくに引っかかったところを救出された時には、左足を骨折しているものの命には別条なかった。何故、少年は無事生還できたのだろうか?


温泉の清掃時間と重なったため!

 事故があったのは、札幌市郊外の定山渓温泉。
落ちた時間帯は温泉街のホテルが浴槽を掃除する時間と重なり、下水の温度は約30度もあり外気より断然暖かったため、凍死を免れたのだという。
また排水量が多かったことにより、転落の際の怪我も最小限に抑えることが出来たと考えられる。

男の子は病院のベッドの上で、母親から「暗くて怖かったでしょ」と聞かれると、「ときどき明るかった」と小声ながらもはっきりと答え、「助けてくれたおじちゃん(下水処理場職員)が『坊や、大丈夫か』と聞いたから、『うん』と返事した」などと話していたという。


(Written by 山崎健治)


【参考】