ユニフォーム

2019年7月2日〜5日の3日間、ユニフォームの総合メーカーとして知られるアイトス株式会社が、大規模な展示会を秋葉原UDXにて実施。世界初となる布ヒートユニットを搭載し、スマホで温度調節が可能な次世代型の防寒アイテム「HOTPIA(ホットピア)」や小型ファンを配備した「空調服」、超微細セラミックを分散混入し、保温機能を高めることに成功した「光電子防寒」など、長年培ってきた同社の技術力があってこそ開発可能な独自の商品群もさることながら、今回もっとも来場者の目を引いたのが「SDGs」の目標を具現化する“完全リサイクル可能な作業服”だったろう。
 
ユニフォーム

念のために説明を加えるが、「SDGs」とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2015年9月に国連で開催されたサミットの中で決められた国際社会共通の目標を指す。貧困や飢餓といった問題から、働きがいや経済成長、気候変動などに至るまで、あらゆる社会課題解決のために目指すべき「17の目標」と「169のターゲット(具体目標)」で構成されている。

「年に2回、全国7箇所で実施しているこの展示会は、新商品のお披露目の場でもあり、情報発信する場でもあります。また、実際に私たちのユニフォームを愛用してくださっているユーザーの声をお聞きできる場でもあります」と説明するのはアイトス株式会社の代表取締役社長・伊藤崇行氏。実際に着用されている現場の声を集め、製品に反映してきたからからこそ、支持を拡大しながら進化を続けてきたのだろう。その情報に対する同社の高感度なアンテナは、企業だけでなく社会全体にも向けられている。その結果として生まれたのが、100%リサイクルが可能だという作業服だ。
 
ユニフォーム

「以前からエコマーク付きのものやグリーン購入など、社会や利用者の要望に応えながら環境に配慮されたユニフォームを扱ってはきましたが、残念ながら世の中に広く浸透し、定着するまでには至りませんでした。ところが数年前に、日本環境設計株式会社様がはじめられた『BRING』というプロジェクトが登場。それを知ったときに魅力を感じ、いち早く参画することを決めました」

この「BRING」は、一言でいえば“洋服のリサイクル”。古くなったユニフォームを回収し、そこから新しいユニフォームを生むというもので、従来のエコ活動では成し得なかった“完全循環型のリサイクル”になっている点に特徴があるという。

「服地にポリエステルが利用されているから再生が可能となる。ほとんどのユニフォームはポリエステルを使用していますし、毎日、着るものですから、一般的な洋服よりも劣化が激しくなっています。だからこそリサイクルによる社会的なインパクトはかなり大きいものとなります」

さらにユニフォームは、産業廃棄物に分類されるため、費用もかかるし勝手に捨てることができずに困っている企業も数多くあるという。

「そういった課題を抱えている企業様に、まずはこの『BRING』というプロジェクトの仕組みを知っていただきたいと思っています。そして皆様の愛着ある企業ユニフォームを捨てることなく再利用し、新しいユニフォームに生まれ変わらせながら『SDGs』にも貢献ができるということをご理解いただければと思います」

ユニフォーム

現在、来年度から開始が予定されている量産に向け、古いユニフォームの回収を先行して実施。参加企業はすでに1,800社を超え、30万点以上が集まっているという。

一般衣料の分野では、すでにBRING製品が発売になっていますが、ユニフォームは安定生産が必須。特に以前から使用している既存品との、ちょっとした色味の差異も許されないため、色の再現性について検討を繰り返してきたのだとか。現在、最終調整に入っているという。

「とにかく、いち早くリリースして、企業様のCSRやSDGs目標達成のサポートをしたいと考えています。そして地球環境への貢献はもちろん、ポリエステルの原料となる原油の奪い合いから生じる戦争を根絶。平和な社会の実現を目指したいですね」
 
真の意味での持続可能な社会というのは、決して大それたことではなく、こうした“誰もができること”を浸透させて、積み重ねていった先に実現できるのだろう。一日でも早く実用化されることを期待したい。