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1989年9月のある日の夕方。台東区の交差点で車の接触事故が発生した。
現場のデパート前の歩道には歩行者がたくさんおり、そこに接触のはずみで車が突っ込んだ。
10人を次々と跳ね飛ばし、最後はデパートの壁に激突ッ!!・・・するかと思われた瞬間。車は忽然と姿を消してしまった。
一体、何が起こったのだろうか?


地下鉄の入り口に飛び込んだ!!

飛び込んだ車の運転手は、デパートの壁に衝突するのを避けようと無我夢中でハンドルを切った。するとそこにあったのはなんと「地下鉄の階段」。
幅2メートルの入り口から、スポッと飛び込んだ車はドンドンと音をたて階段を37段約15メートル走ったあと、踊り場にバンパーがつかえ斜めの格好で止まった。
事故のあった営団地下鉄銀座線上野広小路駅の駅員は「ドーンというものすごい音がした。階段を見ると車が地下鉄の中にいたのでびっくりした」と当時の朝日新聞にコメントを寄せている。
幸い階段には人もおらず、地上で跳ね飛ばされた人の中にも死者はいなかったという。

(Written by 山崎健治)

【参考】
1989年9月16日「朝日新聞」


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