昨日は、前代未聞の珍事件をご紹介したが…

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参考とさせていただいた「週刊朝日」さんの記事は、カンニングの歴史から、昨今の大学側のカンニング対策事情までを紹介した、非常に秀逸な記事だった。
なので、今回はその続編…。
そちらで紹介されていた、おもしろカンニングetc.をご紹介したい!!


元祖カンニングは中国の「科挙」!下着をカンニングペーパーにしていた・・・!?

そもそも試験の歴史はカンニングの歴史でもある。元祖カンニングは、中国の「科挙」にまで遡るという。
科挙とは1400年ほど前、中国隋代に始まった高級官僚の登用試験で、合格すれば地位や名誉、財産が生涯約束された。
試験の合否には自分だけでなく一族郎党の生活までかかっただけに、受験生は必死だった。

故宮崎市定・京都大学名誉教授の著書『科挙』(中公新書)によると、試験は2泊3日で個室に缶詰めにされて行われたため、筆記用具のみならず夜具、食料まで持ち込み可。そこで登場したのが楷書で70万字以上の「四書五経」や注釈がびっしり書き込まれた絹の肌着。つまり下着をカンニングペーパー(カンペ)にしたわけだ。
そんな時間と労力があったら、その分勉強すれば、とも思うのだが、受験生の必死さは伝わってくる。


明治30年代、書生によるカンニング会社が設立されたこともあった!!

日本でも100年以上前からカンニングという言葉は存在した。
明治40(1907)年の「東京朝日新聞」の記事に「カンニングブック」なるものが登場する。

〈袖珍(しゅうちん)的受験用小冊子の所謂カンニングブックと称するもの続々出版せられ試験中窃(ひそか)に披見するの便に供し男女学生は之を携へて登校するなど……〉
大正元(1912)年には、〈帝都の書生 カンニングの流行 受験法年々狡猾〉と報じられ、すでに大きな社会問題と化していた。

記事によると、明治30年代には書生によるカンニング会社が設立され、徴兵逃れを狙う受験生らに重宝されていた。「某専門学校生徒」が編み出した“最新”手法は、バネ仕掛けのゴムに小さなカンペをいくつもつけて、袖口から引っ張り出すものだったという。


昭和のカンニングのトレンドは「替え玉受験」!某親子がワイドショーを賑わせた!!

昭和に入ると不正受験事件が頻発する。主な手口は「替え玉受験」だった。
昭和34(1959)年には、麻布署の元交通係巡査が運転免許試験の替え玉受験で逮捕された。
「入所すれば必ず合格」と看板を掲げた指導所を開設し、軽自動車は1万円、普通自動車は2万〜3万5千円を徴収。
稼いだカネで愛人を囲い豪遊生活を送っていた。

※津田塾大学での「女装替え玉受験」が起こったのも昭和50(1975)年である。

元号が平成に変わっても、カンニングはなくならない。
平成3(1991)年には、お笑いタレントも関わったとされる明治大学の不正受験ビジネスが発覚し、世間を騒がせた。大学の相撲部監督や職員らがカネをもらって替え玉を用意したもので、首謀者とされた元職員らには「有印私文書偽造・同行使」で実刑が言い渡された。

※お分かりだと思うが、このお笑いタレントとは、なべお〇み、や〇ん親子のことである…


スパイ映画さながら!?韓国や中国のカンニング事情…

カンニングに国境はない。韓国や中国では携帯電話やインターネットを使った手口がとっくに横行している。
韓国で1993年に発覚した大学の不正受験では、スパイ映画さながらのテクニックが駆使された。試験途中で退席したダミーの受験生が答案を作成し、近くで待機中の男に渡す。男は、あらかじめ決めていた暗号に変換してポケベルで客の受験生へ送信したという。

2007年には中国の大学や大学院入試で、問題用紙を小型カメラで撮影して請負業者に送り、業者が無線で解答を受験生のイヤホンへ送るといった大規模なカンニング事件が問題となった。
上海では無線の電波をキャッチする「作弊克」(カンニングに克つ)というハイテク機器が導入された。遼寧省当局は16億円を投じ、8千カ所以上の大学入試の試験会場に金属探知機や監視カメラを配備して監視態勢強化を図ったという。


カンニング奨励する大学教授も登場!!

帝京平成大学現代ライフ学部の水野勝弘准教授は、自らの試験では“カンニング”を推奨しているという。
「『ビジネスコミュニケーション』と『広告論』の二つの講義の試験は、前後左右の席の学生と相談していいことにしています。最近はコミュニケーション力が低い学生が多い。カンニングは友達がいないとできないので、普段から友達をつくろうと努力するようになる。カンニングを通じてコミュニケーションを深める方法を学ぶこと自体が重要な教育だと考えています」
水野勝弘准教授は「カンニングが良いとは思いませんが、男の子の立ち小便のようなものでしょう。『やられちゃったよ』という笑いが、もっとあってもいいと思います」と語るなど、かなりユニークな方なようだ…


カンニング対策として受験生ではなく教員に厳しくする大学もある…

北海道のある大学は、受験生ではなく監督を務める教員に、こんな“対策”を講じているという。
「教員が試験会場で監督をサボらないように、携帯電話や本を没収し、手ぶらで送り出します。よくあるんですよ。『監督官がずっと新聞を読んでいた』なんていう受験生からの苦情が」(大学関係者)
いまや大学全入時代。入試の仕組みそのものの再考が必要なのかもしれない…。


いかがだっただろうか。
カンニングが世の中から無くなることを切に願ってはいるが、今後どんなカンニングが登場するのかもちょっと気になる筆者である。


【参考】
週刊朝日「歴史に残る“カンニングの手口”科挙から自動車免許まで ネット投稿は序の口!?」(2011.03.18)


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