May ii(メイアイ)

「ちょっとした段差が越えられない」「目的地までの行き方を教えてほしい」――大日本印刷は、街中での移動にちょっとした困りごとを抱える人と手助けしたい人をマッチングするアプリ「May ii(メイアイ)」の提供を7月25日からスタートしました。


スマホがつなぐ助け合いアプリスマホで手軽に助け合いができる「May ii」の機能

スマホで手軽に助け合いができるこのアプリ。リクエスター(サポートが必要な人)がサポート依頼を発信すると、近くにいるサポーター(サポートしたい人)に通知が届く。マッチングが成功するとGPSによってお互いの位置情報が表示され、それをもとに対面して助け合うことができるという仕組み。

map リクエスト

すれ違いをなくすため、マッチングが成立した相手とはチャットボットで状況を確認することができるほか、服装と色を共有したり、May iiの利用者であることがわかるカラーカードを提示したりして、相手を確認できる工夫がされている。

服装表示 カラーカード

さらに、手助けした回数やユーザーの評価などによってポイントが貯まり、キャラクターを成長させることができる遊びの要素もあり、「助けてほしい」「手助けしたい」という気持ちを行動へ移す後押しとなる。
 
キャラクター


対応エリア、対応言語も順次拡大を目指す

想定しているリクエスターは、車いす利用者、ベビーカー利用者、高齢者、外国人を含む地理に不慣れな観光客など、街中を移動する時に困りごとを抱えやすい人。アプリでは「段差や坂道があって進みづらい」「目的地までの行き方がわからない」「駅や乗り換えがわからない」といった、困りごとのリストから選択してリクエストを発信することができる。サポーターには「地元の魅力を伝えたい」「困りごとを見て見ぬふりをしたくない」という層が想定されていて、アプリを通じて助け合いの輪が広がることが期待される。

2017年から行われてきた実証実験では、移動に困りごとを抱えたユーザーから「移動しやすくなった」「コミュニケーションが楽しくなった」という声もあったそう。

実証実験から見えてきたユーザーのニーズをふまえて開発されたアプリ「May ii」。現在の利用可能エリアは、東京・市ヶ谷エリア、福岡・天神エリア、札幌・大通り公園エリア。今後は、自治体や企業・団体と協力して、東京オリンピック・パラリンピックの会場をメインに利用エリアを順次拡大予定。

また、現在の対応言語は日本語、英語、韓国語。そのほか、音声読み上げにも対応。さらに、年々増えている外国人観光客のために、中国語など対応言語も拡大される予定。


多様な人々が自然に助け合える社会の実現に向けて

街中で困っている人を見かけても「本当に困っているのかわからない」と考えたり、困ったことがあっても「手助けしてほしいけど、声をかけたら迷惑かも」と言い出せなかったり、実際の行動に移せないことが多い。

「Mayii」という名称には、「May I help you?」「なにかお手伝いできることはありませんか?」と自然に声をかけ、行動に移すことができるようにという意味がこめられている。多様化が進む社会の中で、人と人とのコミュニケーションや助け合いを促進する面白い試みだ。

アプリがつなぐ「困った」と「助けたい」という気持ち。人と人との小さな助け合いをサポートするアプリをひとつのツールとして、多様な人々が自然に支え合う社会を目指す試みがどこまで広がっていくか。今後が注目される。