ウルトラマンネクサス

特撮モノなのに地球の平和を守る防衛組織の存在が、まさかの国家機密の扱いになっており、怪獣が人目にふれる前に怪獣を撃退しなければならない過酷な労働条件。怪獣及び防衛チームの存在に触れてしまった人間は、理不尽にも組織によって強制的に記憶を消されることになる。そのため怪獣により生命を絶たれてしまった人は事故死として扱われ、マスコミにも報道管制が敷かれるなど徹底されている。そしてこの防衛チームの職場環境、非常に人間関係がギスギスしている。立地場所が関東某所のダムの底というのも魅力的。

普段と何ら変わりのない毎日を過ごしているのに、実は連日どこかで異型の存在が猛威を振るい、誰も知らないところで脅威に立ち向かう組織と光の巨人がいる。これが2004年の土曜日早朝、子供たちのゴールデンタイムに放送されていた「ウルトラマンネクサス」の世界観。50年以上続くウルトラマンシリーズ作品の中でも屈指の異色設定で、コアなファンの心をガッチリ掴んでいる。

今年の7月から円谷プロ公式Youtubeチャンネルで毎週火曜日に一話ずつ配信されており、ウルトラ好きおじさんたちは毎週の配信をとても楽しみにしている。現在は第8話まで物語が進んでしまったが、今後はさらに残酷な運命が主人公を待ち構えており、朝の時間帯に放送するには生々し過ぎる描写などが展開されていく。物語の先が気になり過ぎて配信が待ちきれない人は、今すぐDVDコンプリートボックス。諸事情により物語は普段より短い37話で完結することになるが、物語の最大の特徴は主人公が最後まで変身しないという設定にあった。混沌とした社会の中で突如襲い来る脅威に対して、満身創痍になりながらも立ち上がった、真の英雄の姿が記録されている。