近年、日本では不正な報酬の受け取りや不適切な会計処理、数字の改ざん、不正行為の隠ぺい、パワーハラスメントなど、企業の不祥事が枚挙にいとまがありません。各企業、とりわけ上場企業は消費者を含めた社会や顧客、株主に対してのコンプライアンス対策が急務となっています。そこで注目されているのが弁護士の社外役員の登用です。法律遵守の観点から社内のチェックと改善に期待がかかります。

社外取締役の登用実態

東京証券取引所が本年8月に発表した独立社外取締役の選任状況等によると、「独立社外取締役を2名以上選任する上場会社」は、東証一部で93.4%、JPX日経400で99.0%となっており年々増加しているそうです。また、「独立社外取締役を3分の1以上選任する上場会社」も、東証一部で43.6%、JPX日経400で55.7%と増加しており、今後、設置が原則となった諮問委員会の主要構成員として期待される独立社外役員の選任は更に進むと予想されています。

なり手不足、複数企業兼任も

社外役員が求められる一方で、なり手不足とも言われています。適性な人材がいないことが主な要因で、複数の企業の社外取締役を兼任する人も少なくないといいます。しかし、兼任することで、本来果たすべきチェック機能がおろそかになりかねないため、一部の機関投資家が兼任の多い社外取締役は不適格とみなし、株主総会で反対票を投じられることもあるそうです。

企業と弁護士のマッチング

そんななか、第二東京弁護士会では9月2日に社外役員になることを希望する会員弁護士120名の情報を更新、ホームページで検索できるように公開しました。社外取締役の紹介は転職エージェント事業者も注目しており、そのほとんどが有償でサービスを提供していますが、第二東京弁護士会では無償で提供しています。
第二東京弁護士会のサイトでは、検索機能が充実しており、地域 、特に知見のある業界や重点取扱分野 、社外役員経験、社内弁護士経験、公的な役職の経験、弁護士以外の資格、弁護士経験年数、年齢、性別、外国語能力に至るまで多岐にわたった条件で検索することができます。
平成27 年(2015 年度)の提供開始以降、社外取締役・社外役員を求める多くの企業で有効的に利用されているとのこと。

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弁護士会の人材紹介サービス

こういった企業への弁護士の紹介サービスは他の地域でもあるようです。各地域の弁護士会のホームページをみてみると、きちんと窓口が設置してあり、インターネットを通じて申請したり、電話対応などをしてくれるほか、候補者の経歴などをまとめたプロフィールをPDFで公開したりと様々。日本弁護士連合会では、弁護士の社外取締役ガイドラインをとりまとめており時代に即したサポートを行っている。

企業の不祥事が減り、安定した健全な社会生活を送れるよう期待したい。