斎藤佑樹

プロ野球は9月30日にレギュラーシーズンの全日程が終了。10月1日から第1次戦力外通告がスタートし、これまで球団を支えてきたベテラン選手などにも容赦なく育成契約の打診も含め非常通告がくだされてきた。

かつて絶対的守護神として君臨したクローザー。ルーキー時代から将来を嘱望された盗塁王。たとえどんな実績があろうと、力が衰えれば非情な現実を突きつけられる。これがプロの世界故の厳しさである。

そして、12球団合同トライアウトは11月13日(火)に、タマホームスタジアム筑後にて開催。戦力外となった選手や、プロ野球退団後に社会人野球に登録されて2年以上経過した選手が参加できる。

この一昔のプロ野球の世界では存在していなかったであろうトライアウト制度だが、何故いつから行われるようになったのか。

今回も気になったので調べてみました。



トライアウトは21世紀から行われるように!


戦力外となった選手は引退するか、現役続行かの選択に迫られる。現役続行を決意した選手には、海外や独立リーグ・社会人野球などでプレーする道も残されているが、NPBの他球団との契約を希望する選手は、何らかの方法で他球団に実力をアピールしなければならない。

かつては、秋季キャンプや球団の施設に選手を呼んでテストをしていたが、戦力外選手により多くのチャンスを与えようと、2001年から「12球団合同トライアウト」が行われるようになった。
当初は東西2か所で行われていたが、2015年からは年1回となった。



トライアウトを受ける前に入団先が決まっている選手も!?


トライアウトは投手は3〜4人の打者を相手に投げる。打者は投手の数に応じて3〜4人と対戦する。それが4〜5時間続く。

建前上、トライアウトは戦力外選手の「再契約」へ向けた機会ということになっているが、実態は少し違う。戦力外になった選手と球団の入団交渉は、トライアウト後でないとできないが、それなりの実績がある選手は、すでに他球団への移籍が「内定」している場合がある。そこまでいかなくても、好感触を得ている選手もいる。そういう選手は原則としてトライアウトは受けない。

だが、今の身体能力を確認する為にトライアウトを受けるケースもある。特に注目をされていない選手がトライアウトを受けて、球団と契約をするケースは実は非常に稀なことであるという。

最近の傾向では、プロ野球の球団でなく独立リーグや社会人野球チームのスカウトもトライアウトに熱い視線を注いでおり、こういったアマチュア野球に身を置き、再起を目指す選手も結構いる。

2017年に読売ジャイアンツを解雇された村田修一内野手もトライアウトは受けていないのだが、独立リーグの栃木ゴールデンブレーブスに入団しNPB復帰を目指してプレーしていた。

今年のトライアウトでも再起を掛けた男たちによる白熱した対戦、そして新天地での復権を期待したい。出来れば東山紀之さんのナレーション付きで!


【出典】
『東洋経済オンライン』:2018年11月17日
『ベースボール専門メディア Full Count』: 2018年11月13日


(written by 虫歯太郎)

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