全日本大学駅伝

愛知県・熱田神宮から三重県・伊勢神宮までの8区間106・8キロを駆け抜ける全日本大学駅伝が3日に行われた。
結果は最終区までどこが勝つかわからなかったが、東海大学が2位の青山学院大学に1分44秒差をつけ、16年ぶり2回目優勝を果たした。
単純な結果だけ見ても東海大学が箱根駅伝で連覇するのではないかと思うかもしれない。だが、それだけではない今大会で最も実力を隠しているチームと言ってもいいのが東海大学である。

全日本大学駅伝の結果

色々話す前にまずは結果を振り返りましょう。

【上位成績】
1位:東海大    5時間13分15秒  
2位:青学院学大  5時間14分59秒 
3位:駒澤大    5時間15分04秒 
4位:東京国際大  5時間15分35秒 
5位:東洋大    5時間15分40秒 
6位:早稲田大   5時間17分04秒 
7位:國學院大   5時間17分34秒 
8位:帝京大    5時間19分38秒 
9位:順天堂大   5時間19分46秒 
10位:中央学院大   5時間20分06秒
※8位までが来年のシード権を獲得

出雲駅伝の結果もあり5強と呼ばれた。東海、青山、駒澤、東洋、國學院は順当に上位に入った。そこに割って入ったのが初出場の東京国際大学、箱根駅伝予選会で苦戦を強いられた早稲田大学だ。
特に東京国際大学はユニバ―シアード・ハーフマラソン銅メダリストの伊藤達彦が箱根予選会で日本人トップ、今大会でも区間新記録を出し、区間賞を獲得と好調をキープしている。箱根の台風の目になるかもしれない。

ライターが選ぶMVP

今大会もちろん区間新記録を出す選手、沈んでいたチームを上位に引き上げた選手もいましたが、ライターが選ぶMVPは東海大学7区「松尾淳之介」。
松尾は1分3秒差を青山学院のエース・吉田圭太にひっくり返され、区間7位と決して満足できるものではなかった。しかし差を広げてしまいそうになった場面で粘りを見せ、最終8区に2秒差と大きく離されることなく勝負できる位置で最終区に襷を渡した頑張りは評価するポイントだったと思う。

黄金世代を5人封印

東海大が箱根駅伝の連覇に向けて視界良好な理由は何といっても戦力がまだ隠れている事。
黄金世代と呼ばれる4年生で箱根駅伝に出場される予想される選手が少なくても5人いる。それが鬼塚翔太、關颯人、舘澤享次、阪口竜平、中島怜利。
ケガや調子が上がっていないという理由でエントリーされていなかっただろうが、コンディションを上げれば今以上の戦力で箱根に臨んでくることは間違いない。

黄金世代に待ったをかける下級生たち

今大会は下級生が頑張りを見せた。
3区の3年・塩澤稀夕は区間3位、4区の3年・西田壮志は区間賞、5区・2年・市村朋樹はチームを1位に押し上げ、最終8区では3年・名取燎太は勝負を決める日本人トップの区間2位の好走。
名取は陸上の名門・佐久長聖高校出身で期待をされていた選手だったが、大学3大駅伝のデビュー戦で見事な活躍をした。

下の世代が黄金世代に待ったをかけ、高いレベルでのレギュラー争いが激化する可能性がある。そして、今回出場してない下級生からも新たな戦力が現れるかもしれない。

最後に

やはり現状の戦力を考えるとアクシデントがない限り東海大学の箱根駅伝連覇は堅いと思う。これだけの戦力を抱えている両角速駅伝監督は箱根駅伝に向けてどのようなプランを考え、どんな采配を振るうのか?
そして、その他の5強はこの結果を受け止めて、どんな対策・戦略を組んでくるのか?はたまた別の勢力が現れるのか?

なにはともあれ、これからの2ヵ月間でいかにチームを仕上げられるかが鍵となる。選手より監督の手腕が問われる期間になるだろう。


(Written by ユーサク)

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