柏原竜二

不定期に箱根駅伝で輝き放った、ドラマを生んだそんな歴代の選手たちを紹介する記事の第2弾は東洋大学の卒業生「柏原竜二」に焦点をあてていきたいと思う。
柏原は2009年から2012年の箱根駅伝に出場していてる。

皆さんもおそらく知っていると思いますが、「2代目・山の神」と称されている。個人的には最も箱根の山登りで強かった選手と感じている。

11月22日に行われた「箱根駅伝シンポジウム」で柏原にまつわる新たなエピソードが語られた。

輝かしい成績

柏原と言えば、やはり4年連続山登りの5区区間賞、うち3回は区間記録を更新しているランナーで東洋大学を初の総合優勝に導いた選手です。
山の竜神などとも称され、2009年の箱根デビュー戦では4分58秒差の9位からスタートし、2位に22秒差をつけるという記録も残っている。

1年生で見せた爆走の裏で…

2009年の箱根デビューの裏ではレース前に当時の指揮官の佐藤監督代行が「3位以内を目標に走りなさい」という言葉に対して「嫌です。僕は優勝を目指します。」と言って電話をピッと切ったという。しかも柏原はレース序盤から1kmを2分45〜50秒の速いペースで突っ込んだ。これに対し佐藤監督代行は「速いぞ、抑えろ」と指示したが柏原は言うことを聞かずに走ったという。
何度もスピードを抑えるよう声をかけた佐藤監督代行も途中で指示を諦めたという。

1日でスターになってしまったが故の苦悩

1日でスターに登りつめてしまった柏原は一気に世間に顔を知られてしまったが故に、朝の電車通学での乗客のヒソヒソ話にストレスが溜まり、プライベートで身心的疲労が大きかったっという。
選手としては「柏原がいるから大丈夫。」という考えがチームに出てきてしまい、柏原が不調の時でも「柏原頼み」のチームになってしまった。
しかし2011年箱根駅伝で早稲田大学に敗れたことをきっかけに、「柏原にどうやって楽をさせてやるか」をチームで考えるようになったという。
そこで誕生したのが、今では有名な東洋大学のスローガン「その1秒をけずりだせ」である。

名門・早稲田の選手が逃げ出した?!

柏原の大学生時代に早稲田大学を率いていたのが住友電工陸上競技部監督の渡辺康幸である。
渡辺は「柏原対策なんかない、5分やられるんですから」と言い切った。
当時の早稲田大学を振り「早稲田大学は高校時代のトップクラスが入学してくるので、公衆の面前で抜かれたくないという気持ちがあり、5区で柏原と走りたくないと言い、柏原の抜かれ役の擦り付け合いだった。」という。

柏原の存在は大会前にも大きな影響を与えていた。
早稲田大学が箱根駅伝を制し、大学駅伝3冠を果たした2011年は当初5区走る予定だった選手が大会の1週間前にプレッシャーに負けて「僕は柏原君とは戦えません。」と言い、寮からもいなくなったというエピソードを渡辺は語った。
その年は急遽、一般受験で入った9区を走る予定だった当時4年生の猪俣英希を起用したという。
渡辺は「4年間は悪夢だった。1度でも勝ててよかった」と語る。

柏原が山で最も嫌だった選手は伏兵

柏原が5区を走って嫌だった選手はなんと先程紹介した2011年に急遽走ることになって競った早稲田大学の猪俣選手だった。当時を柏原は「猪俣選手が嫌でしょうがなかった。」と振り返る。その理由として柏原が猪俣を抜いた瞬間にすごく顔を見てきたので、何か考えているなと直感的に感じ、5区を走っててすごく嫌な気持ちになったのは初めてだったという。

柏原を山で最も苦しめた選手はエースクラスの選手ではなく、伏兵だったという意外な事実だった。

紅白歌手が歌う柏原への応援歌がある

今年のNHK紅白歌合戦に出演するアニソンアーティストのLiSAが柏原への応援歌として歌っている「ジェットロケット」という曲がある。
この曲はLiSAのファーストアルバム「LOVER"S"MiLE」に収録されている。ツイッターでアニオタとしても有名な柏原がLiSAのデビューシングル「oath sign」を聴いてくれていたことを知り、スタッフやUNISON SQUARE GARDENのベーシストで作詞・作曲活動もしている田淵智也が駅伝好きだったことをきっかけに2012年の駅伝に向けて、柏原に楽曲を届けるために作ったという。

【参考】
(2019年2月14日 TOKYO FM「SCHOOL OF LOCK!」編集後記)

最後に

あなたは何個この事実をしってましたか?最近まで話されていなかったこともあったので驚いた方もいるのではないでしょうか?

現在、柏原は2017年に現役を引退して入社した富士通でアメリカンフットボールチームのマネージャーをしながら、駅伝の解説など陸上界に携わる仕事もしている。やはり今でも柏原は大きな存在だなと思う。大学で栄光を手にし、実業団で苦悩した選手だからこそ、発言の重みを感じる。
今後どのような形で陸上界にも携わっていくのか注目の人物である。


(Written by ユーサク)