リンクタイズ株式会社が運営するグローバルビジネス雑誌『Forbes JAPAN』が2014年から毎年発表している「日本の起業家ランキング2019」がこのほど決まりました。令和の新時代を迎えた今年の起業家の“顔”は、スマートニュース株式会社の鈴木健氏(代表取締役会長兼社長 CEO)、浜本階生氏(取締役 COO兼チーフエンジニア)。先日、パレスホテル東京で行われたイベント「Forbes JAPAN CEO Conference 2019」でランキングの発表および顕彰が行われました。

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「Forbes JAPAN CEO Conference 2019」では、まずキーノートセッションとして「THE GREAT CAMPANY―未来を創る企業―」と題し、CYBERDYNE株式会社の山海嘉之氏(代表取締役社長/CEO)、一橋ビジネススクールの楠木建氏(教授)、アスタミューゼ株式会社の永井歩氏(代表取締役社長)が登壇。モデレーターは『Forbes JAPAN』誌の藤吉雅春編集長が担当しました。

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キーノートセッションでは冒頭、2019年12月25日に『Forbes JAPAN』誌上で発表される「日本のイノベーション企業ランキング2020」について藤吉編集長が触れ、ランキング制作をアスタミューゼの永井氏が担当したとコメント。

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なぜ、このようなランキングを作成したかの経緯について「これまでForbes JAPANはCEOランキングを発表してきましたが、もっと面白くて未来を予測できるものはできないかと模索してきました。ただ、指標を作るのが非常に難しく、手を出せないでいたところ、世界中のイノベーションに関する情報を集めているアスタミューゼの永井さんと知り合いました。永井さんは有望な成長領域を可視化されており、さまざまな企業・団体を提携されているため、今回お願いしてランキング作成に至りました」と藤吉編集長は説明しました。

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藤吉編集長からの紹介を受け、永井氏は「イノベーションという領域が多岐にわたり、一元的なランキングには意味がなくなってきているのではないか。せっかくForbes JAPANがランキングを作成するのであれば、意味があるイノベーションランキングにする必要がある。たとえば、さまざまな論文や経営学で証明されている“オープンイノベーションの中でのつながりが、どのように企業価値に影響するか”とか、“イノベーティブな会社にはイノベーティブな人が集まっている”、“資本効率の高い会社はイノベーションをコンスタントに生み出している”といった部分をランキング形式でスコアリングしてみてはどうかということで、今回のお話を受けさせていただいた」とコメントした。

具体的には3つの指標によるランキングを作成。「イノベーション効率指標」(いかに内部留保の資本をイノベーティブなことを生産しているか)は第1位が武田薬品、「オープンイノベーション指標」(いかに社外の技術や知識を取り込んでいるか)は第1位が東京ガス、「イノベータ集積度指標」(いかにイノベーティブな人材を採用しているか)は第1位が任天堂という結果になりました。

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こうしたイノベーションランキングの上位企業を「グレートカンパニー」と名付け、こうした企業が日本で増えるためにはどうしたらよいかとの問いに、CYBERDYNEの山海氏は「これには“生み出していく場”と“育っていく場”という考えがあり、そういうチャレンジができる場を日本は作るべき。新しいチャレンジがどんどんできる場を作ることができれば、未来そのものを作る場になる」と答えました。

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また、一橋ビジネススクールの楠木氏はイノベーションランキングについて「よく、こうしたランキングに関わることが多いが、有識者や専門家に意識調査を行うケースが多い。その場合、なんとなく自分と付き合いのある会社を選んだりする。もちろん、それぞれの識者が持つ指標、定義があるので一概にそういう選択基準とは言えないが、今回のイノベーションランキングは物凄く大きなデータを、独自の方法でソートしている。これこそイノベ―ティングだ。私は武田薬品がそれほどイノベ―ティングだとは思わないが(笑)、こういうランキングが出てくるところがイノベーションだと思う」と話し、会場を沸かせました。

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続いて「日本の起業家ランキング」トップ10の発表と、1〜3位に輝いた企業の表彰が行われました。第1位の栄冠を手にしたのは、スマートニュース株式会社の鈴木健代表取締役会長兼社長CEOと浜本階生取締役COO兼チーフエンジニアです。壇上で鈴木氏は「とても名誉な賞をいただき、嬉しく思っている。一緒に賞をもらった浜本と出会って10年になる。いい思い出になった。スマートニュースが賞をいただいた理由は、この1年間アメリカで5倍の成長をしたという事実と、その前からアメリカ社会の分断の問題に目を向けて、地道のこの問題を解決していこうというような機能をアメリカ向けに提供し続けてきた。そこを評価していただけたのではないか。メディアやニュースは民主主義の基盤。情報やメディアはテクノロジーの力によって大きな危機に瀕している。民主主義の危機は世界中で起きているが、これをテクノロジーの力で戻していきたい」とコメントしました。

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なお、第2位には株式会社エクサウィザーズの春田真取締役会長と石山洸代表取締役社長が選ばれました。

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第3位は株式会社メドレーの瀧口浩平代表取締役社長と豊田剛一郎代表取締役医師。以下、第4位にOmiseの長谷川潤氏、第5位にミラティブの赤川隼一氏、第6位にグローバルモビリティサービスの中島徳至氏、第7位にヤプリの庵原保文氏、第8位に五常・アンド・カンパニーの慎 泰俊氏、第9位にispaceの袴田武史氏、第10位にシナモンの平野未来氏が選ばれました。


なお、11位以下の「日本の起業家トップ20」やカンファレンスの詳細などについては、フォーブスジャパンの専用サイトをチェックしてください!


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