鈴木直道

新型コロナウイルス対策では政府の一歩先を行く緊急事態宣言で存在感を発揮し、支持率も急上昇した北海道の鈴木直道知事。
昨年4月、全国最年少、唯一の30代知事は、そのルックスも相まって、一時は将来の総理候補と評されるまでの存在になった。その後の第2派への対応などを巡っては批判もあったというが、鈴木知事もまた、大阪府の吉村知事と共に、将来の日本を引っ張っていってほしい若きリーダーであろう。

埼玉県出身、東京都の職員だった男がいかにして夕張市の市長へ、そして北海道知事へと駆け上がって行ったのか…
今回は、そんな鈴木知事の足跡を新聞での紹介記事と共に振り返っていこう。

おそらく鈴木直道という名前が新聞に登場したのは以下が最初であると思われる。


【参照記事】北海道・夕張市財政破たん:夕張市への派遣職員2人を決定−都総務局/東京
2007.12.08 毎日新聞地方版/東京
都総務局は7日、多額の財政赤字を抱えて破綻した北海道夕張市の再建支援の一環として派遣する職員について、主税局総務部職員課の百沢俊平主事(28)と福祉保健局保健政策部疾病対策課の鈴木直道主事(26)の2人に決めたと発表した。
来年1月21日に発令する予定。

夕張市で2人はそれぞれ市税の徴収や医療保険の仕事に携わる。職員の派遣は税財源の豊かな都に批判が高まる中、猪瀬直樹副知事が「首都公務員として他の地域に貢献すべきだ」と提案。両局から数十人の候補者を抽出し、適性や希望を考えて2人に決めた。派遣期間は09年度末までだが、途中で交代する可能性もある。

受け入れ側の夕張市の藤倉肇市長は「今年度当初に職員数が半減し、その後も退職が続いている中で、 専門職員の維持確保が課題となっている。大変ありがたく、東京都には心より感謝申し上げたい」とのコメントを出した。

鈴木知事は当時まだ26歳。また、猪瀬直樹副知事という懐かしい名前も登場している。
埼玉県出身の知事は高校時代に両親が離婚し、母親に楽をさせようと高卒で東京都庁に入庁。
2008年に都庁の職員として財政破綻した北海道の夕張市へ出向になっていたのだ…。

そして、約2年間の派遣期間中の鈴木の行動力に心服した地元の若手経済人たちから推され出馬した
2011年4月の夕張市長選を制し、市長になった。その際には、選挙応援に石原慎太郎東京都知事も登場したというから驚きだ。


【参照記事】[夕張市長選・候補を追う](4)鈴木直道氏(連載)=北海道
2011.04.22 読売新聞東京朝刊
◆東京とタッグ前面に
20日、JR清水沢駅前で行われた鈴木直道候補(30)の街頭演説には、警護に当たる多くの私服警察官の姿があった。選挙カーの上から盛んに手を振る鈴木候補の傍らに立ったのは、石原慎太郎東京都知事だ。かつての上司の応援を受けた鈴木候補は「日本一働く市長になるため、力を貸してください」と、一段と声のトーンを高めた。

財政破綻後、職員が大量退職した夕張市役所を支援するため、都職員だった鈴木候補は2008年1月から10年3月までの2年2か月間、派遣された。
財政破綻で、多くの公共サービスがカットされ、高齢化が進む夕張は、住みにくいまちになっていたが、市民は温かく迎えてくれた。その時の生活が、出馬を決意させた「原体験」だ。
夕張では市民課に配属され、全世帯を対象に、地域の要望を聞くアンケートを実施、財政再生計画へ反映させることなどに汗を流した。その際に苦楽を共にした市職員や民間企業の仲間と話し合い、10年11月、都職員を退職して立候補を表明した。市職員労働組合などの支援も受け、初挑戦の選挙で、国内現役最年少市長の座に挑戦している。

20日、街頭演説と総決起集会に出席した石原知事は「人生を懸け、役に立ちたいと決心をした若者を(都庁から)送り出せて誇らしい。皆さんの力でぜひ育ててほしい」と、父親のような優しいまなざしで聴衆に語りかけた。

鈴木候補が一貫して訴えてきたスローガンは「夕張と東京をつなぐ」。子どもたちの交流や企業誘致などのほか、国に対する政策要望の際にも東京都とタッグを組むという。
石原知事も「50年前の夕張に戻すため、都はいくらでも手伝います」と支援を約束した。また、市民との対話を重視し、「財政再生計画の期間短縮にも全力を尽くす」と主張する。さらに、市職員への「成績主義」導入などの市役所改革、3世代交流の地域づくりにも意欲をみせる。 選対の沢田直矢幹事長は「我々はチャレンジャー。最後までこのままやるだけ」と意気込む。

大学1年からボクシング部に入り、主将も務めた。積極的に前に出るスタイルが身上だったという。 鈴木候補は、その経験を演説でこう例える。
「まだ若い私ですが、市民の皆さんの思いを背に、国と戦います。そのリングに、私をぜひ上げてください」

そしてこの選挙に勝利した鈴木知事は2期8年間、市長を務め、38歳になった2019年4月、若さと市政の実績を買われる形で北海道知事に当選を果たすのだ。

正直、現在、国政に携わる政治家はお坊ちゃまが多い印象だ…。
幼少期より裕福な生活をしていた方々に一般庶民の本当の苦しみなんて分かるはずがないのだろう。
大阪府の吉村知事しかり、こうしたたたき上げで頑張っている人は必ず報われなければならない。
こうした苦しい時期だからこそ、若く、強く、そしてルックスも良いリーダーの登場を待たずにはいられない。

頑張れ、吉村知事!鈴木知事!コロナなんかに負けるな!!


(Written by コロナに負けるな王)