写真 ―莉襦 〔焚

2020年8月23日の今日は、暦の上では「処暑」です。
(注:新暦計算と国立天文台暦計算室とでは1日ずれる場合があります。)
天文学的には黄経150度に達した時点のことを指します。

「処暑」とは、‘処’の意味が『とまる』という意味があるため、暑さがとまるという意味となります。
とはいっても、まだまだ暑さが残っているのが現実。中国由来の暦を日本の季節感に合わせているとはいえ、旧暦と新暦の違いもありますし、
暦は昔の時代と今の時代を知るキーワードかもしれませんね。

二十四節気の「処暑」の時期をさらに三つに分けて、さらに細かい季節感を表したものが七十二候です。

初候は 
「綿附開」(わたのはなしべ開く)
綿の実がはじけて、綿を包む咢(がく)が開き、綿花がのぞく時季を言います。江戸時代に木綿の栽培が盛んになった時にこの表現になりました。ただ、今では木綿畑は日常的にみることはできないので、あくまでも季節の目安。暦は中国でつくられ、その後、日本に入ってきて、日本の風土にあったもの、天文学的なもの、身近な生活にあったものへと、さまざまな改良がされています。
そのため、この時期の七十二候は、もともと中国でつくられた暦には「鷹野祭鳥」とありました。そこから日本で最初に改良をいれられた暦(貞享暦)で「寒蝉(ひぐらし)鳴く」となり、そしてそれに天文学的なものを改良して発表された高良暦では「綿附開」となっています

次候は
「天地始粛」(天地始めて寒し)
「粛」とは落ち着くという意味です。
厳しい残暑も和らぎ、吹く風からも、朝夕、涼しさを感じられる頃。

末候は
「夭乃登」(こくのものすなはち稔る)
「こくのもの」とは、穀物のことを指します。秋になって、さまざまな穀物が実る、という意味です

自然界の変化を表したこれらの七十二候の示すように、暦は、日本のさまざまな四季の中の情景を、繊細に表しています。


いつのころからか、季節感に触れることが少なくなった現代。
暦を知り、暦の季節の言葉に耳を傾け、より身近に季節を感じてみましょう。

出典:
国立天文台 暦計算室
「こよみ」岡田芳朗著 神社新報社
「現代こよみ読み解き事典」岡田芳朗+阿久根末忠著 柏書房
Written  :コヨミズム
Photo   :Jim Black/Pixabay