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近年、海洋プラスチック問題に代表される環境活動やコロナ禍に関連した支援など、世界中で地球環境や社会に配慮した活動が注目されている。
日本でも社会貢献への関心は高まりつつあり、内閣府の調査ではなんと約7割の人が「社会に役立ちたい」との思いを抱いているという。

ひと昔前までこのような思いは、一般的でこそなかったものの、東日本大震災を経験して社会への考え方や意識が変わったという方も多いのではないだろうか?
実際に日本国内における寄付をしたことがある人の割合を見ても、従来は約3割だった数字が震災直後には約 7 割に跳ね上がった。その後も4割台で推移しているのだ。
最近では、寄附で資金を集めるクラウドファンディングも広がり、コロナ禍でその勢いはさらに広がっている。飲食店や施設の開業維持、イベント実施、商品開発など、個人レベルから大企業まで、業界に関係なくかなり一般的になって来たのではないだろうか。

そのような寄附なしでは成り立たない事が増え、支え合いが当たり前になっている時代だからこそ、子どものうちから社会に貢献することを学ぶ重要性も増しているのではないだろうか?

しかし、日本の学校教育では国語や数学などの教科が中心で、心や考え方、現在の社会について学ぶ機会は少ない。道徳や総合学習の時間を通して、社会貢献について関わることはあっても、ほぼボランティア学習が中心だ。そうなると、大人になっても急に社会貢献を実践することは難しいだろう。

このような状況を受け、全国の学校へ社会貢献教育を広めようと「寄附の教室」という体験学習を普及させる動きも出てきている。


広がる「社会貢献教育」そのメリットとは?

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「寄附の教室」を主催する日本ファンドレイジング協会によると、社会貢献を学ぶことには以下のようなメリットがあるという。

・自己肯定感を高める
・協同的な学びを体験できる。

例えば、支援した現地の子どもからの御礼の手紙や、生活が向上したという報告レポートなど、感謝や成果を受け取ることで、自分が誰かの力になっていると実感が持てる。また、募金活動などでは、生徒同志や教員が共に助け合い工夫しながら計画を立て実行する。その過程で協力する経験を得られたり、みんなで振り返ることで、体験を学びにつなげることができるのだ。また、子どもだけでなく保護者や教員も、一人ひとりが社会をつくるという意識を持つことが出来るという。

このような子供と大人双方へのメリットもあり、全国の小学校から高校で社会貢献教育の活動が広がっているそうだ。例えば、杉並区立杉並和泉学園では、「チャリティーチャレンジ・プログラム」として、社会貢献意識や思いやり、他者への信頼感などを育てることを目的に、募金活動を実施。地域への愛着や参加意識、主体的な行動と他者と協力する力に繋がるらしく、今後もこのような取り組みは広がりを見せそうだ。


“おもちゃで支援する”子供を巻き込む寄附活動も

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学校外でも子供が参加できる社会貢献活動や寄附活動も広がっている。例えば、国際協力団体の「シャプラニール=市民による海外協力の会」では、ブックオフと共に不要になったおもちゃ・ゲーム・コミックなど“モノ”で寄附する「おもちゃで児童労働をなくそう!キャンペーン」を6月に実施した。ブック・オフが対象となる物を無料集荷して買取り、その金額がバングラデシュなどの発展途上国で、家事使用人として働く少女たちへの支援活動などに役立てられるそうだ。

普段ならおもちゃを処分しようとしても、処理にお金がかかった挙句に、子供がへそを曲げてしまうのだ。そんな悩める親を助けるかのように「捨てるのではなく、海外の子どものために再活用されるんだよ”と説得できるのはありがたい。


リモートにも最適?自由研究や宿題として、国際協力を学ぶ教材も配布

シャプラニールでは、キャンペーンに参加した人は勿論、学習用教材「バングラデシュ・ネパールってどんな国?」の無料プレゼントを実施している。南アジアの文化や児童労働などについて紹介しており、物品寄付を通じた支援がどんな国のどんな子どもたちに届くのか、親子で学べる内容になっているそうだ。

在宅で取り組める自由研究としても使用可能で、子供がより身近に国際協力や社会貢献を学び、寄附をより身近に感じられる内容になっている。

キャンペーン担当者であるシャプラニールの盂氏は以下のようにコメントしている。

「募金箱にお金を入れることだけが“寄付”ではありません。おもちゃ、本、ゲームなど、みなさんが実際に使ったものが寄付物品として活用されます。あなたの「ちょっと寄付してみようかな」という一歩が、世界を大きく変えるきっかけになるかもしれません。一人の地球市民として、その一歩を踏み出してみませんか?教材を通じて寄付した物品がどのように使われるのか。どんな国のどんな人たちに繋がるのか。たくさん思いを巡らすきっかけになればと思います。」

より良い地球や社会を実現するためにも、子どもから大人まで一人ひとりがお互いを思いやり、行動を積み重ねていくことが大切なのだろう。日本でも寄附や社会的な活動が当たり前のようなる時代が、早く訪れることを願うばかりだ。