ウシオ電機

依然として猛威を振るう新型コロナウイルス。感染防止に向けた技術開発が各社で加速している。光応用製品事業を展開する「ウシオ電機」では、ウイルスを不活化する紫外線光源「Care222」を開発。8月26日(水)、都内にて製品発表会が開催された。

ウシオ電機

冒頭ではウシオ電機代表取締役社長 内藤宏治氏が登壇。同社ではランプやLEDなどの光源を搭載する装置の製造・販売を展開。数多くのトップシェアを誇る製品を手がけるなか、近年注力するのが“ライフサイエンス”だ。

ウシオ電機

新型コロナウイルス予防対策として手洗いやうがいが推奨され、ワクチン開発が進められているものの“感染予防”という決定打はない昨今。その解決策としてUV-Cによるウイルス不活化・殺菌が注目されている。一方でUV-Cは皮膚癌や白内障を発生させる可能性があり、人体に有害を及ぼすという弱点もあった。

一般的にウイルスや細菌の不活化には主に波長254nmの紫外線が使用されるが、人体へ無害な波長222nmの紫外線にウシオ電機は着目。それを実現したのが、エキシマランプと独自の光学フィルターを組み合わせた「Care222」だ。皮膚の角質や角膜の表面に入らないため、人体へ悪影響を与えることもない。この222nmによる殺菌システムは米国、コロンビア大学が開発。ウシオ電機がその研究成果をもとに、光源の開発や製品化を行った。

ウシオ電機

「Care222」は光源から50cmのエリアにいるウイルスをわずか20秒で99%を不活化。瞬時に点灯・消灯できるので、センサー点灯など細かい照射コントロールが可能だ。さらに室内の温度や湿度の変化に影響されないため、環境を選ばずに使用することができる。

ウシオ電機

エキシマランプに独自の光学フィルターを融合させることで有害波長をカット。これにより人体に害を与えることはないという。同社は様々な大学や研究機関と共同で「Care222」で実証試験を実施。コロナウイルスをはじめ、数々のウイルスや細菌に対しての有効性が証明された。内藤社長は「Care222は従来の殺菌方法とは異なる、全く新しい技術。これまでの紫外線に対するイメージを払拭し、ウィズコロナ時代における安心・安全な空間や環境の実現に貢献していきたい」と話す。

ウシオ電機

「Care222」は、空間インフラ市場、自動車や電車などのMaaS市場、医療機器市場という3つのステップを視野に入れ確立を目指す。

ウシオ電機

商品ラインナップはそのまま使用設置できる「U3ユニット(左)」とユニットが内蔵する「光源モジュール(右)」の2種を用意。モジュールは照明器具メーカーや空調機器メーカーに提供し、OEM製品として展開するほか、モジュールを搭載した新製品の共同開発なども進める。

ウシオ電機

さらに空間インフラ市場やMaaS市場への展開に向けて、東芝ライテックとの業務提携を開始。光事業を展開する両社の特性を融合することで、公共交通期間や施設での感染リスクの低減を目指す。この提携により東芝ライテックはCare222光源モジュールを自社の照明器具に組み込み、ウイルス不活化・殺菌という新しいコンセプトの製品開発を進める。東芝ライテック代表取締役社長 平岡敏行氏は「公共施設や交通機関への多くの販路を持つ当社の特性を生かしたい。1日も早く商材を投入して、世界の人々が安心な暮らしができるように貢献できれば」と意気込んだ。

ウシオ電機

具体的な商品についても発表された。その一つが来年1月に発売予定の上記の商品(イメージ)だ。天井に設置するダウンライト式の照明器具のような作りで、空間隅々までの殺菌が可能だ。

「Care222」の発表以降、国内外の企業や団体から2千を超える問い合わせがあったとのこと。新型コロナウイルス終息の兆しが見えない昨今、ますます注目が集まることに違いないだろう。