転勤が多くなる9月は引越しにおける「第二の繁忙期」と言われています。今回は、引越しにまつわる「知っているようで知らない物件探しの豆知識」をお伝えします!

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不動産会社選びのコツ

スマホやパソコンで物件を検索することが多いと思いますが、同じ物件が様々な不動産情報サイトに掲載されていたり、サイトによって取り扱っている不動産会社が異なる……という経験はありませんか?

同じ物件を複数の不動産会社が紹介している……と聞くと不信感を持つ方もいるかもしれませんが、裏にはきちんとした「仕組み」があるようです。

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Q.なぜ同じ物件が色々な不動産情報サイトに掲載されるの?

A.この背景には通称「レインズ」と呼ばれるデータベースの存在があります。レインズとは、宅地建物取引業法に基づき国土交通大臣が指定した指定流通機構のこと。つまり、登録している業者のみが閲覧することができる物件のデータベースのことです。「レインズ」に登録している仲介業者であれば、どの物件でもお客様へご紹介ができます。
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1つの物件を複数の不動産会社が紹介できるということは、物件だけでなく不動産会社選びも慎重に行う必要がありそうです。
不動産会社はどのように選べば良いのでしょうか?

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Q. 不動産会社選びの基準はあるの?

A.地域密着型、大手共にメリット・デメリットがあるため、キャンペーンや初期費用の支払い方や掘り出し物の有無などを考慮して不動産会社を選びましょう。

<地域密着型不動産会社の特徴>
地域密着型のメリットは、家賃の値下げ交渉が有利に働く場合があることです。地域に根差して昔からあることが多く、大家とも長い付き合いがあることもしばしば。その場合、家賃交渉がしやすくなる可能性があるのです。また、掘り出し物物件を紹介してもらえる可能性もあります。
一方、大家との繋がりがデメリットになることもあります。例えば、大家との繋がりを重要視している場合には、接客時に借主側の印象が悪いと判断された場合には物件を貸してくれない可能性があります。

<大手不動産会社の特徴>
支店も多く、広範囲に渡って取り扱う物件数が多いことが何よりもメリットです。新着物件に出会える機会が増え、条件に合う物件を見つけやすくなります。また、仲介手数料に応じた各種ポイントがもらえることや、お得なプレゼントキャンペーンなども盛んに行っています。大手不動産会社では入居にかかる初期費用をクレジットカードで支払うことができたり、分割支払いに対応している場合もあります。
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物件探しで注意したいのが「おとり物件」です。
「おとり物件」とは、客引きのために掲載される実際は貸し出すことができない物件のことで、宅建業法違反という立派な犯罪行為にあたります。

「おとり物件」を掲載する悪質な不動産会社を選ばないために、似たような条件と比較してあまりにも条件が良すぎる物件があった場合は、他のサイトでも検索してみましょう!

意外と知らない!「マンション」と「アパート」の違い

マンションよりアパートの方が安い、と思っていませんか?実は、マンションとアパートに明確に定められた法的な定義はなく、不動産会社やポータルサイト等、物件を取り扱う企業のそれぞれの社内規定によって区別されているそうです。

そのため、同じ物件でも不動産会社によって呼び方が異なる場合があるんだとか……?

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Q.何を基準に区別されることが多いの?

A.一般的には「構造」と「階数」の違いで呼び方が変わります。

<構造>
マンション:鉄骨コンクリート造(RC)や、鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)等、堅固な造りです。
アパート:木造や軽量鉄骨造(プレハブ工法)であることが多いです。

<階数>
マンション:3階建て以上で階数制限はありません。
アパート:ほとんどが2階建て(高くても3階)です。
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それざれのメリット・デメリットについても見ていきましょう!

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Q.それぞれのメリット・デメリットは?

<マンション>
◆メリット:上記に挙げているように鉄骨・鉄骨鉄筋コンクリート造のため、耐震性・耐火性に優れています。コンクリートが使用されているので壁が厚く防音性も高いので、隣や上下階の音漏れがしにくいです。

◆デメリット:建築コストが高いため、賃料や管理費がアパートより高くなる傾向があります。また、コンクリートは気密性が高いため、外との気温差で結露が発生しやすいというデメリットもあります。(2003年以降に建てられた物件は24時間換気システムが義務づけられているので、それ以前に建てられた物件に比べると結露が発生しにくくなっています。)

<アパート>
◆メリット:建築費が安く、2〜3階建てであることからエレベーターもついていないため、マンションより家賃・管理費が安価です。木造の場合は通気性が良いので、夏でも涼しく過ごせて結露も発生しにくいです。また、1棟の世帯数が少ないので、顔が見えるご近所付き合いが好きな方や、物件にお住まいの方同士の顔がわかっていたほうが安心……という方におすすめです。

◆デメリット:築年数が古いアパートの場合、遮音性が低く、隣人や上下階の音漏れが気になる可能性がマンションより高いです。また、防犯設備もマンションと比較して低いことが多く、階層が低く窓から不審者も侵入しやすいので、特に女性の方はセキュリティ面で不安が残ることもあるかもしれません。
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不動産の徒歩時間と表示基準

部屋割りや内装だけでなく、立地も物件選びの重要なポイントです。
駅から「徒歩●分」という表記を参考にする方が多いと思います。

……ところで、この「徒歩●分」はどんな基準で調べられているのでしょうか?

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Q.徒歩分数はどのように決められているの?

A.徒歩所要時間は「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」第5章 表示基準 第10条「物件の内容・取引条件等に係る表示基準」にて算出基準が定められており、不動産広告に掲載されている分数は、以下の基準をもとに計算しています。
徒歩1分は80m、車1分は400mです。(1分未満の端数は切り上げ)
徒歩1分=80mの基準は、健康な女性がハイヒールを履いて歩いた平均分速が80.3mとなっていることから採用されたといわれていますが、実際には昭和38年に公正取引委員会でルールを策定する際に女性職員の1人に廊下を歩かせたときの速度を元にしているそうです。
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Q. 徒歩●分はどこまでの距離なの?

A. 表示されている距離は、目的地の出入り口ではなく一番近い敷地部分までの距離です。そのため敷地内の奥に入口がある大きいスーパーや駅などでは、表示よりも時間がかかることがあるので要注意です。
また、信号や踏切を横断する際の待ち時間も含みません。
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賃貸の初期費用の基本知識

引越し際にかかるのは月々の家賃だけではありません。引越し費用に加え、賃貸物件の契約時に支払う初期費用などがかかるため、入居前にはまとまった金額が必要になります。契約時の初期費用としてよく挙げられる敷金・礼金ですが、最近では敷金・礼金がない物件も増えているようです。
敷金と礼金とは、一体何のためのお金なのでしょうか?

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Q. 敷金と礼金ってなに?相場はあるの?

<敷金>
部屋を退去するときの原状回復(生活でできてしまった傷などを直す)費用として、入居前にあらかじめ払うお金です。基本的には、原状回復にかかった費用が差し引かれたお金が戻ってきます。
家賃1カ月分が目安で、中にはペットを飼っている場合のみ敷金を請求する物件もあります。
 
<礼金>
部屋を所有する大家さんに対して、お礼の意味として支払います。敷金と違って、退去時に返金されることはありません。家賃1カ月分が目安です。
 
最近では敷金・礼金が無い物件も増えています。その場合でも退去時に部屋のクリーニング代がかかることが多く、なかには退去時に想定以上(敷金1カ月分以上)の金額を請求されるケースもある様です。契約書を読み、不明な部分があればしっかりと内容を確認して書き込んでおけば、トラブル防止につながります。賃貸では、部屋を借りたい人が集まるハイシーズン(1月〜3月)は敷金・礼金がかかる物件が増え、逆に人が集まりにくい夏などは、敷金・礼金ナシのゼロゼロ物件になることもあります。
どうしても初期費用を抑えたい場合は借りる時期をずらしてみるのもおすすめです。
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衣食住という言葉があるくらい、自分が暮らす場所はとても大切です。
自分の生活にあった部屋なのか、信用できる不動産会社なのか……しっかり調べて探しましょう!


参照:グローバルリンクマネジメント(https://www.global-link-m.com/)