プロ野球が開幕して以来、無観客試合を経て「観客5000人」状態が続き、9月半ば、イベントにおける観客数の制限がさらに緩和されることが決まった。
先に、プロ野球「観客5000人」現地観戦として【京セラドーム大阪 編】を掲載した。今回はそれに続き、【阪神甲子園球場 編】を現地よりリポートする。
【参考】プロ野球「観客5000人」現地観戦で気づいた7つの変更ポイント
阪神の“Withコロナ”観戦は「チケット争奪戦」から始まる
阪神とオリックス、大きく異なる点は、まず「チケットがなかなか取れない!!!」ということ。
通常期でも、土日の試合はファンにより“チケット争奪戦”が繰り広げられ、平日でなんとか買える程度。それが新型コロナ対策で「観客5000人」に制限されると、チケット入手がさらに至難の業となった。筆者は、ファンクラブ先行、かつ平日を狙い、なんとか座席を確保。最初に狙っていた(最も安価な)外野席は早々に完売し、内野席(4900円)となった。
観客数の制限が「1万人まで」「2万人まで」と緩和されることで、さらに密になる懸念は確かにある。ただ、チケットが若干取りやすくなるのは正直うれしい。
いよいよやってきた、阪神ファンの聖地である甲子園球場。周りのファンは皆、マスクを着けていた。ただし、この時は。
入場時の「検温」「消毒」に加え、ビジョンでも繰り返し案内
入場ゲートの数は通常より少なく、手荷物検査の次に「検温」があった。平熱で難なく通過し、手指の「消毒」をした後、1枚の紙を渡された。
「兵庫県新型コロナ追跡システム」
そういえば、京セラドーム大阪の試合でも「大阪コロナ追跡システム」のチラシを、入場ゲートで受け取ったのを思い出した。甲子園の場所は、兵庫県。ただ、都道府県をまたいで移動してきているファンも多いわけで、全国統一システムにしないと意味がない、といつも思う。
球場の通路にも、消毒液。ちなみに、売店のレジ横にも、消毒液がほぼ必ず置いてあった。
ここはもちろん、見かけたら必ず手にプシュ!
オーロラビジョンでも、試合観戦でのお願いが繰り返し流れていた。これらは、チケットを買う前にもしっかり書かれていたことばかり。
タオルを振り回す、声を張り上げる、ファン同士のハイタッチ、鳴り物での応援・・・などが禁止行為。阪神の応援で名物ともいえる「ジェット風船」も禁止で、ジェット風船がデザインされたタオルを持って7回のラッキーセブンを盛り上げるのが、ファンの新たな観戦スタイルとなりつつある。
座席指定はあまり意味なし、ひたすら飲食でマスク外し
観客席は「3密」を避けるため、前後左右がいない配置。いつも窮屈な甲子園での試合、のんびり見られるのはかなり良かった。
ただ、座席を移動しないように促されているのに、隣り同士で座っている様子がけっこう散見された。スタッフも、特に注意しに行く光景も見かけなかったが、放置プレイで良いものか疑問に思った。
ちなみに「アルコール飲料の過剰摂取は控える」ようにとの注意もオーロラビジョンに表示されていたものの、周りを見渡すと皆、ビールを何倍も飲み、しかも酔った勢いで饒舌となり、試合展開が(阪神ファン的に思わしくなく)声を張り上げるのも見かけた。ずっと飲食をしている=ずっとマスクを外したままになっていた。
アルコール飲料の販売は、7回終了まで。それに文句を言うファンもいると耳にしたが、こんな最中なので正直、アルコール自体を控えて野球観戦に集中できないものか・・・とも思わされた。
プロ野球やJリーグなどのマスコットキャラクターもマスクをする姿をチラホラ見かける中、阪神「トラッキー」はマスクなしだった、と念のため。
観客5000人も埋まらないオリックス戦と比べると、阪神戦は観客が多いものの、通常期よりは明らかに少なく、観戦しやすいのは確か。ただ、マナーはあまり良くないファンをけっこう見てしまったのが残念だった。観客数制限の緩和で、新型コロナ対策のマナーまで緩和されてしまわないことを願う。
(Written by トラコ)