奈良県中部にある橿原市は“日本国はじまりの地”として知られる。そのゆえんは、市内にある「橿原神宮」だ。第一代天皇の神武天皇が即位したと伝わる場所に建てられ、境内は約16万坪、甲子園球場の約13個分という広さを誇る。

第一鳥居からまっすぐ延びる広い参道を奥に進んでいき、第二鳥居をくぐる。周りは深い緑の森に囲まれ、いつ訪れても荘厳な空気が漂い、神々しい雰囲気も感じられる。

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そして、南神門をくぐった先にあるのが、外拝殿前の、とても広い空間。左手に、神楽殿を眺めつつさらに進んで外拝殿まで行くと、奥に内拝殿が見える。さらに奥には幣殿と、明治期に京都御所から、明治天皇によって下賜されて移築された国重要文化財の本殿もある。

スケールが大きなこの場所に立つと、心が洗われる。特に早朝の参拝がおすすめ。

この外拝殿のら奥に見える山が、大和三山の1つで知られる畝傍(うねび)山。北神門から出て登山道を歩くと、約30分で山頂までたどり着ける。時間があればぜひチャレンジを。

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また、外拝殿前に「さざれ石」があるのにも注目。漢字で“細石”と書き、細かい石、小さな石のこと。

さざれ石は、国歌『君が代』に詠まれていることで知られる。近くで見ることができるのは、なかなか貴重だ。

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橿原神宮のおみくじも、とてもかわいい。神武天皇と皇后を祀り、開運・勝運にご利益があるとされる。

「金鵄(きんし)みくじ」は、日本建国の伝承において神武天皇を豪族との戦いで勝利に導いた幸運のトビがモチーフ。一方「鮎みくじ」は、神武天皇が勝敗を魚(鮎)で占ったと伝わることに由来する。

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また、「神武天皇陵」が、橿原神宮の外拝殿から歩いて15分ほどの場所にある。入口から、玉砂利の参道を歩いていくと、素木の大鳥居が見えてくる。この奥が、神武天皇の御陵だ。神武天皇陵は宮内庁が管理していて内部に入ることはできないものの、外からでもそのスケール感、荘厳さは十分に伝わってきて、神妙な気持ちになる。希望者には、隣接する畝傍陵墓監区事務所で御陵印が提供されるので、ぜひ。

日本国はじまりの地で、参拝を終えたら、ぜひ食べてほしいのが、奈良の郷土料理「飛鳥鍋」だ。

牛乳を使ったお鍋で、牛乳のコクと鍋の出汁が絶妙。鶏肉や野菜などと一緒に煮込んで味わう鍋料理で知られる。もし牛乳が苦手でも、飛鳥鍋なら食べられる人も多く、しかもヘルシー。もともと、飛鳥時代に唐(現在の中国)からやってきた渡来人が、ヤギの乳で鍋料理を作ったのが始まりと伝わる。

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今回、飛鳥鍋を味わったのは、橿原神宮の入口という絶好のロケーションにある橿原観光ホテル。飛鳥鍋御膳では、ホテル秘伝という牛乳ベースの鶏ガラスープで味わう飛鳥鍋をはじめ、新鮮な野菜、柿の葉寿司なども一緒に味わえる。

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日本旅行では、橿原・飛鳥をはじめとした奈良にあるフォトジェニックスポットや古墳をテーマとした旅行ツアーを実施。古墳シンガーであるまりこふんさんと古墳を巡るツアー、絶景プロデューサー詩歩さんとフォトジェニックスポットを撮影するツアーの2つがあり、参加者を募集している(2020年12月・1月催行予定)

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■【橿原市×日本旅行】おすすめツアー紹介サイト
https://kashiharatour-20202021nta.com/
■橿原市観光協会
http://www.kashihara-kanko.or.jp/

(Written by A. Shikama)