静岡の苺(いちご)といえば「石垣いちご」だ。春の到来は石垣いちごとともに、といっても過言ではない。その石垣いちごとは、いったいどんないちごなのか。

■いちご海岸通りに農園30以上、いちご狩りのメッカ

静岡市を走る国道150号、久能山のふもと、駿河湾を望む海岸沿いは通称「いちご海岸通り」と呼ばれる。

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今から約120年前、この地でいちご狩りが始まった。久能山といえば、江戸幕府初代将軍、徳川家康公を祀る久能山東照宮があることで知られ、古くから多くの参拝客で賑わう。

ここに現在、30以上ものいちご農園があり、県内はもちろん県外からわざわざ訪れる人も多い。

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■石垣いちご発祥の逸話、現在も石垣を使って自然栽培

石垣いちごは、石垣を積み上げた間にいちごの苗を受け付ける独特の栽培方法。発祥は諸説あり、その1つが明治29年(1896年)に久能山東照宮の宮司がアメリカから持ち帰ったいちごの苗を託され、当時は温室ハウスなどない時代、その苗を玉石の間に植えて、厳しい冬の間に石の輻射熱でいちごを栽培したのが始まりとされる。

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その後、昭和41年(1966年)から石垣いちご狩りが開始。そのため“観光いちご発祥の地”とも言われる。現在も、山の斜面を利用した伝統的な石垣いちごの栽培が行われている。

■いちご狩りは5月上旬まで、お取り寄せできる農園も

この石垣いちごのメイン品種は、静岡が発祥の「章姫」(あきひめ)で、縦長の果実、柔らかな触感、芳醇な甘みが特徴。今も暖房を使用せずに栽培されたいちごは、まさに自然の力でうま味が凝縮されている。

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いちご狩りは例年、1月から5月上旬まで楽しめる。ピークは2月ごろ。農園ごとに時間、料金、品種、サービスなどが異なるので事前要問合せ。

なお、いちご農園の中には、石垣いちごのお取り寄せが可能なところも。ステイホームでも石垣いちごを味わう機会、ぜひ。

静岡・久能苺狩り組合