1月20日、第164回芥川賞・直木賞の選考会が行われ、芥川賞は宇佐見りんさんの『推し、燃ゆ』、直木賞は西條奈加さんの『心淋(うらさび)し川』が選ばれました。
受賞作は書店でも大きく販売コーナーが作られ、注目を浴びていますが、惜しくも受賞を逃した候補作もどれも素晴らしい作品ばかりなんです!ステイホームで読書ができる時間がある今、大賞以外の候補作も読んでみませんか?
ということで、今回の選考では惜しくも受賞を逃したものの、ぜひ読んでいただきたい候補作を3選まとめてみました!
●『旅する練習』/乗代雄介(芥川賞候補作)
【あらすじ】
中学入学を前にしたサッカー少女の姪っ子と、小説家の私。2020年、コロナ禍で予定がなくなった春休み、ふたりは利根川沿いに、徒歩で千葉の我孫子から、鹿島アントラーズの本拠地を目指す。「歩く、書く、蹴る」。書くことで世界を見つめる気鋭の意欲作。
●『汚れた手をそこで拭かない』/芦沢央(直木賞候補作)
【あらすじ】
平穏に夏休みを終えたい小学校教諭、認知症の妻を傷つけたくない夫。
元不倫相手を見返したい料理研究家……始まりは、ささやかな秘密。
気付かぬうちにじわりじわりと「お金」の魔の手はやってきて、
見逃したはずの小さな綻びは、彼ら自身を絡め取り、蝕んでいく。
研ぎ澄まされたミステリ5篇からなる、傑作独立短編集。
●『インビジブル』/坂上泉(直木賞候補作)
【あらすじ】
実在した「大阪市警視庁」を舞台に新鋭が放つ戦後史×警察サスペンス。
昭和29年、大阪城付近で政治家秘書が頭に麻袋を巻かれた刺殺体となって見つかる。
大阪市警視庁が騒然とするなか、若手の新城は初めての殺人事件捜査に意気込むが、上層部の思惑により国警から派遣された警察官僚の守屋と組むはめに。
帝大卒のエリートなのに聞き込みもできない守屋に、中卒叩き上げの新城は厄介者を押し付けられたといら立ちを募らせる…。
(Written by 大井川鉄朗)