しかし、賢治の父は質・古着商を営んで財を築いた人物、地元でも有名な資産家だった。裕福な家庭で育った賢治の金銭感覚も当時の庶民とはかけ離れたものだったとも言われている。
例えば、賢治が飲みに行った先で女給から貧乏な身の上話をされると、有り金を全て渡してしまったこともあるという。情に厚いとも言えるが、なんとも破天荒な行動である。
他にも、サハリン旅行から帰ってきた後に友人に開いてもらった宴会では芸者を呼んで大騒ぎ。何の芸もない賢治は持っている金を全部、祝儀として使ってしまったのだとか。
(written by 山崎健治)