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オリンピックのマラソン競技は42.195km。この中途半端な距離は一体どのようにして測っているのか?実はこの距離は現在も大変アナログな方法で計測がされている。

そもそも42.195 kmとい数字になったのは、1908年の第4回ロンドン大会がきっかけ。当初42 kmで設定していたが、当時のイギリス王女が「スタートは城の窓から見えるように宮殿の庭で、ゴールは競技場にあるボックス席の前に設置してほしい」という要望があった。これにより当初予定していた42 kmよりも距離が延び、42.195 kmになったと言われている。

世界各地で開催されるどのマラソン大会でも、この42.195 kmが採用されており、気になるその距離の計測方法に関しては「陸上競技審判ハンドブック」に記載があり、以下の2つのどちらかで計測されている。

(1)ワイヤーロープを使って測る
直径5mm長さ50mのワイヤーをメジャーとして使い、尺取虫のように50mずつ測っていく。つまり42.195 kmを測るためにはこの作業を、844回も繰り返さなければならない。

(2)自転車にカウンター計を取り付けて測る
車軸に国際陸連で定められたカウンターをつけ、使用予定のコースを走って測っていく。ただ、気象条件、気温、乗る人の体重によって微妙に長さが変わってきてしまうため、事前に1kmでメモリがいくつ進むかチェックしてから測定に臨む。

次々に技術革新が進む現在だが、マラソンの距離はなんとも地道な方法で計測されていたことに驚き。マラソン競技を観戦する際は、多くの関係者たちの努力によって今があることに注目したい。

参考
https://www.seiko.co.jp/sports_music/sports/sports_timing/trivia/index006.html
https://www.seiko.co.jp/sports_music/sports/sports_timing/trivia/index007.html

(Written by 山岸悠也)