カンロは昨年から一部コンビニエンスストアで先行販売していた「マロッシュ」の全国発売を6月8日より開始した。これに先駆け、前日にメディア向けオンライン発表会を実施。新WEB CMや同社の販売戦略、開発経緯などが紹介された。

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前半ではカンロ代表取締役社長の三須和泰氏より、飴菓子の市場動向や新商品「マロッシュ」についての全体戦略が説明された。1912年の創業以来、カンロ飴やピュレグミなどの様々な人気商品を創出してきたカンロ。飴菓子の市場動向においては、グミやタブレットの売り上げ拡大により2019年まで増加傾向にあったが、昨年はコロナ禍の影響を大きく受けた。

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同社の2020年売上構成比では、ハードキャンディーが約6割、グミが約3割であるが、ここ数年注力しているグミについてはこの5年間で1.7倍にまで拡大している。

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日本においてグミは1980年代に登場し、長い間子供向け菓子として定着していた。同社は2002年に大人の女性向けに「ピュレグミ」、2013年に若年層男性向けに「カンデミーナ」、2020年に親子をターゲットとした「あそぼん」を発売した。

「味や形状、食感といったスペック面だけでなく、消費者に情緒的な価値を感じてもらえるような開発を心がけてきた。消費者視点のマーケティングを行ったことで、お客様の評価を受けられたのではと自負している」(三須氏)

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新商品「マロッシュ」は、マシュマロとグミを比較し、それぞれのカテゴリーに情緒、スペックの両面でカバーされない領域があることに着目し、開発を進めてきた。

「マシュマロ市場は、2003年に美容成分としてコラーゲンが注目されたのを機に拡大したが、やがて減少傾向に転じ、年間の市場規模は80億円前後で落ち着いている。マシュマロはバーベキューなどのイベント消費が多く、商品規格がファミリー向けに設計されていることが多い。そこでターゲットをファミリーから個人、食シーンを非日常から日常とシフトさせた」(三須氏)


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「マロッシュ」はグミの主要消費者である大人の女性が、日常のお菓子として食すことを想定。グミの製造技術を活かした味わいや食感、形状、情緒といった新たなエッセンスを加えることで、進化系とも言えるマシュマロが完成したという。

「発売初年度の今年は年間10億円の売上を目指し、4年後には20億円達成を目標としたい」と三須氏は意気込んだ。

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後半には同社マーケティング本部 ブランド開発部 開発第1チーム、高島稔昭氏より「マロッシュ」の開発経緯や特徴が説明された。

「マシュマロはイベントや製菓材料として馴染みがある一方で、日常生活でももっと食べる機会があっても良いと考えたのが開発のはじまり。喫食機会を増やすために、パーセプションチェンジに着目した。ターゲットを大人の女性とし、“ワクワクする日常のお菓子”という、新たな価値創造を目指したい」と高島氏は話す。

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「マロッシュ」の大きな特徴は4つ。1つ目は、口に入れた瞬間はグミのような弾力がありながら、噛み進めるにつれ、ふわふわに変化する不思議な食感。2つ目は酸味のあるパウダーコーティングによる、すっきりした味わい。3つ目はホイップしたような可愛い見た目。4つ目は、ビビットなカラーリングのポップなパッケージデザインだ。

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今回発売されたのは、グレープソーダ味とレモンスカッシュ味の2種。昨年、限定発売された際には、グレープソーダ味は計画比の6.8倍。レモンスカッシュ味は2.7倍を売り上げ、予想を大幅に超える実績となった。

「SNSでは“グミなのか、マシュマロなのか”と話題になり、当社にも若い女性を中心に“おいしい”との声が寄せられた。多数の反響を呼んだことで、全国発売に自信を持って踏み切ることができた」(高島氏)


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不思議な食感が話題を呼んだことから、“15秒でマシュマロなるグミ”をコミュニケーションワードに、プロモーションを実施していく。イメージキャラクターには俳優の柄本佑さんを起用した。

「柄本さんは役柄に合わせた変幻自在な演技力と、柔らかい雰囲気が魅力。変化する食感や味わいが特徴のマロッシュと親和性が高く、イメージキャラクターとしてオファーさせていただいた」(高島氏)

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6月7日より公開中のWEB CMでは、不思議な雰囲気漂うマロッシュ研究所を舞台に、計測官に扮する柄本さんがマロッシュタイマーを持って登場。食べ始めから、マシュマロに感じるまでの15秒間を、柄本さんが計測するストーリーとなっている。

「【マロッシュ】15秒でマシュマロになるグミ?」新CM
カンロ公式YouTube