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雪国の冬はシンシンと静かに感じる。雪が降り積もれば自分の足音しか聞こえないほどの世界。都会でも雪が降ればいつもの喧騒が消えてしまったように静かに感じることがあるが、これは雪が音そのものを吸収してしまっているためである。雪の結晶は六角形や八角形など複雑な形をしており、これが集まって様々な粒子となり、複数の粒子が集まって一粒の雪となる。粒子と粒子の隙間には多くの空気が詰まっており、空気の振動による音がこの隙間に伝わると、この隙間に入っていた空気とぶつかり、振動する音のエネルギーが消えてしまう。空気の振動を雪が吸収するので、雪が降っていると音が響かないため静かに感じるのである。空から降る雪はもちろん、地面に積もっている雪も音を吸収する。特に雪がたくさん積もっている場合、地面などに反射する音のほとんどを吸収し、電車の音まで小さく聞こえるほど。雪が降るとなんとなく静かに感じていた現象には、ちゃんと静かになる理由があったのである。

(Written by 山本)