テレワークの推進など、新たな生活様式が定着しつつある昨今。パナソニックではニューノーマル時代に寄り添う家電やサービスを提案。9月21日(火)、メディア向け発表会が開催された。

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冒頭ではパナソニック専務執行役員 アプライアンス社社長 品田正弘氏が登壇。 ニューノーマル時代を見据えた、製品に込める想いが紹介された。

「新型コロナウイルスの感染拡大によって、人々の生活が大きく変わった。当社ではこれを転換点と捉え、一人ひとりの暮らしと向き合い、技術による社会貢献を追求している。新しい生活様式の中で、“家”は生活空間から、仕事、学び、趣味など、あらゆる活動の中心へと役割を変えた。今後家電には、多様化するライフスタイルをサポートする役割、快適さと清潔さを両立させる機能が求められる。当社の家電を使うことで、自分らしく、持続可能な暮らしを実現できる世界が広がれば」(品田氏)

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続いてパナソニック アプライアンス社 副社長 兼 日本地域コンシューマーマーケティング部門長河野明氏が登壇。新製品と新サービスが“1人ひとりに寄り添う”というコンセプトのもとに紹介された。同社は2018年、“暮らしアップデート”を宣言して以来、家電のIoT化を推進。エアコンや洗濯機、冷蔵庫、レコーダー、テレビなど同社家電のうちIoT製品は現在約3割を占める。今後も家電のIoT化、それに伴うサービス開発に注力するという。

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コロナ禍により空気への関心が高まりつつある昨今。「清潔な空気へのニーズには“クリーンテクノロジー”で応えていく」と河野氏。軸となるのは「新ナノイーX」だ。OHラジカル量を従来の100倍にあたる毎秒48兆個を生成することにより、よりスピーディーにカビ菌や花粉の抑制、脱臭をすることができる。「新ナノイーX」は今年11月発売のエアコン「LXシリーズ」に搭載される。さらに吸着素材には業界初となる高分子吸着剤を採用。この高分子吸着剤を室外機に搭載することで、一般的な吸着剤を使用した時と比べて約2倍のスピード加湿が可能という。

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在宅時間の増加に伴い、家事時間も増加し、コロナ禍以前よりも家族で家事を分担するという傾向が強まっている。同社ではそんな「家事を家族で協力して行う」暮らしをサポートする。その一つが家電の運転状況やお天気、行動予定などをスピーカー搭載家電で知らせる新サービスだ。今秋から順次開始していく。「冷蔵庫の給水タンクの水が少なくなりました」「オーブンの加熱が完了しました」という知らせも可能だ。忘れがちなことをさりげなく伝えられれば、家事の手間も省け、暮らしはもっと便利になると言えるだろう。

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10月発売の「コードレススティック掃除機」は“誰でもいつでも手軽に使える、お掃除が楽しくなる”がテーマ。掃除機本体とダストボックスを分離させ、パワフルな吸引力を実現。使用後、本体をクリーンドッグに置くとゴミが自動収集される。クリーンドック内の紙パックの交換は1ヶ月に一回が目安だ。ダストボックスを本体から切り離したことで、本体の軽量化も可能となった。
「掃除機が重いと出し入れが面倒だが、軽いことによりゴミが気になった時に気軽に掃除することができる。リビングに置きっぱなしにできる、空間になじみやすいデザインを採用した。新ナノイーXにより脱臭機能も優れ、臭いも気になりにくいのも魅力」(河野氏)

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コロナ禍により“家”の役割は大きく変化した。暮らしの空間は、今ではワーキングスペースやオンライン授業の場として使用される。家を多様な目的に活用するライフスタイルに合わせて開発されたのが、10月発売の「レイアウトフリーテレビ」だ。チューナー部とモニター部を分けることにより、手軽に移動できるのが大きな特徴。目的に合わせて配置場所をアレンジしやすい。

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壁側だけでなく、部屋中央への設置も可能なので、ソファの配置の自由度も上がるだろう。またモニターとしても活用できるため、オンライン会議やオンライン授業に重宝するに違いない。

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同社では家電のサポートサービスについても一層強化。長期的に家電を見守ることにより、ユーザーの暮らしをより豊かにする。その代表的な取り組みが、IoT対応家電のメンテナンスサービス「Panasonic Care(パナソニック ケア)」だ。これは、IoT対応家電の使用状況に応じて手入れのタイミングを知らせ、手入れ部品や消耗品についても届けるというサービスだ。修理保証付きのプランではメーカー保証の1年を超えた場合においても購入時から最大で5年間、万が一の故障の際には追加料金なしで修理対応を行う。

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「エアコンクリーニングサービス」のリニューアルも実施。従来ではユーザー自身がクリーニングのタイミングを判断していたが、今後はCLUB Panasonicに登録したサービス対象のエアコンにおいては、クリーニングが必要なタイミングの目安をアプリなどで通知。一般的なエアコンは購入時からの経過年数を元に、IoT対応エアコンは購入時からの経過年数と運転稼働時間などを元に通知を行う。
さらにクリーニング(有料)の申込専用のWEBサイトを新設。「CLUB Panasonic」アプリの通知からアクセス可能で、利便性も向上する。室内機の分解洗浄・点検は、従来同様、専門技術員が出張して行う。エアコンクリーニングの通知、クリーニングサイトは11月上旬に申し込が開始する予定だ。

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今回発表された新製品や新サービスを含め、今後も“ユーザー1人ひとりに寄り添う”をテーマに開発に注力するという同社。「3年後の2024年度にはIoT家電を家電全体の6割に、さらに1000万人のお客様と深くつながれるように尽力したい」(河野氏)

新しい生活様式が定着し、大きな転換点にあたる今。ライフスタイルが変化し、多様性が焦点とも言えるこの時代、同社の新たな取り組みに今後一層注目が集まりそうだ。