沖縄でよく見かける「シーサー」の置物。古くから沖縄に伝わる守り神であり魔除け。もともとはエジプトのスフィンクスまでさかのぼり、シルクロードを経て中国から13〜15世紀ごろ伝来したと言われる。獅子(ライオン)が沖縄の方言でシーサーと呼ばれるようになったという。

そのシーサーは、沖縄県内にある「スターバックス」の店舗でも見られる。すべての店舗ではなく、シーサーは「ドライブスルーがある店舗」のみ設置されている。2021年10月現在、沖縄24店舗のうち、本島のみ10店舗ある。ちなみに、すべてデザインが違うと聞き、いくつかの店舗を訪ね、比べてみた。

バークレーズコート

まず、「浦添バークレーズコート店」から。少し青みがかかったデザインのシーサーが2体、お店の入口に鎮座する。バークレーズコートは平屋型のショッピングモールで、そばにアメリカ総領事館がある。

宜野湾

続いて、国道58号沿いにある「沖縄宜野湾店」のシーサー。那覇空港から国道を北上する途中にあり、ドライブスルーと駐車場がある店舗だった。シーサーは赤みがかかり、駐車場から店内に入る通路のところにあった。

北谷国道58号

同じ国道58号沿いにある「北谷国道58号店」にも、国道に面した入口のところにシーサーがいた。クリーム色でつやがあるタイプのシーサー。このお店は大きな屋根があるテラス席があり、米軍基地やキャンプも周辺に点在することからアメリカ人が多く、国際色豊かな雰囲気だった。

国体道路

羽田空港の約2倍もある広さの嘉手納基地の南を走る国体道路にあるのが「沖縄国体道路店」で、ここもドライブスルー併設。道路に面した場所にシーサーがいた。これもやや赤みがかっているが、他のシーサーとはよく見ると違う。ここでも米軍関係者を多く見かけた。

本部

沖縄のスターバックスで最北端にあり、沖縄唯一の「リージョナル ランドマーク ストア」でもある「沖縄本部町店」のシーサー。ドライブスルーと歩道の入口にいた。シーサーは黒っぽい色をしている。ここは美ら海水族館にも近く、店内から眺める海も美しい。

読谷

北谷町から国道58号をさらに北上した場所にある「沖縄読谷店」にいるシーサー。薄い赤色のシーサーで、石造りの階段がまた良い感じ。イオンタウン読谷ショッピングセンターの一角に独立した形で店舗があり、ドライブスルーも併設。ここも外に広いテラス席があった。

真嘉比

那覇の首里城に近いエリアにある「沖縄真嘉比店」も、現在はドライブスルー併設店。駐車場から店内に入るところに、シーサーが鎮座していた。身体はグレー、毛の色がなんとなく赤っぽいのが特徴的。背後の南国らしい植物もいい感じだった。

あしびなー

那覇空港にほど近いアウトレットモールにある「沖縄アウトレットモールあしびなー店」のシーサーは、なんと白っぽい色をしていた。他のシーサーと比べると、けっこう年季も入っていて貫禄も感じた。モール内にあるのではなく、駐車場に隣接した独立型店舗。近くに「イーアス豊崎」という大型モールが開業し、ここにもスターバックスが新たにオープン。シーサーはいないが、店内から海の絶景を眺めることができると聞いた。

その他、南風原町にある「沖縄津嘉山店」と、うるま市の「沖縄アブロうるま店」がドライブスルー併設店。ここの店舗はまだ未訪問で、どんなシーサーがいるのか次に訪れた時の楽しみにしたい。


シーサーについて改めて紹介すると、神社の狛犬と同じく、対の2体で置くか、屋根の上に1体のみが一般的。口を開けた右側が「雄」で、口を閉じた左側が「雌」だ。鬼門である北東や、火難から守る南に向いて置かれる。屋根の上、玄関の前、門柱の上など。

このシーサーの種類は「宮獅子」「村落獅子」「家獅子」の3種類ある。さらに、家獅子には置く場所により、「屋敷獅子」「屋根獅子」「門獅子」に分けられる。スターバックスの場合、いずれも店の外の入口のような場所にあったので「門獅子」と考えられる。

スターバックス コーヒー ジャパン
https://www.starbucks.co.jp/

(Written by A. Shikama)